なぜ開票率1%で当確が出るのか?

2009.08.30

組織・人材

なぜ開票率1%で当確が出るのか?

葛西 伸一
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

国政選挙の時期になりました。 選挙当日は、ニュース速報や選挙特番で「○○区の××××氏が開票率1%で当選確実」などというニュースが流れます。 一体これはどういことなのでしょうか? なぜたった1%の開票だけで、当確なんて言えるのでしょうか? それは、統計学を少し知るとカラクリがわかってくるのです。

さらに、そのアンケート結果を裏付ける各候補者を支持している

組織や過去の実績などの補完データーを集めて統計計算結果の

信頼度を上げているようです。

ただ、いろいろ調べてみても、各局がどんな複数のデーターを元に

厳密な統計計算をしているかは定かではありません。

そこで、ここでは出口調査に絞って統計的に確実性があるかどうか

調べる手法を見ていきたいと思います。

結論から言うと、「無作為に取り出したサンプルがある程度あれば、そのサンプルの結果から、かなりの割合で票全体の動向が読み取れる(推計できる)」

ということです。

ただし、「無作為」というのがとても大事で、サンプルが偏って

いたり、あまりに少なかったりとその推計結果が疑わしくなります。

「1%なんて少ないのでは?」と思われるかもしれませんが、

統計学だと、

仮に1万人の投票があった場合、無作為な96人分の投票結果がわかれば、1万票全体の動向が推計できるのです。

この96人という数字は、許容誤差10%、信頼率95%という計算条件

設定の中ではじき出される数字になります。

つまり、誤差が10%くらいでるかもしれませんが、特殊な5%以外の

95%の範囲にその結果(候補者)は含まれいるという意味です。

よりわかりやすく言うと、100人いたら95人はその結果(候補者)に

投票しているだろうということです。

ちなみに、より精度をあげるために、計算条件設定を、許容誤差5%、

信頼率99%まであげようとすると、623人の無作為なサンプルを

集める必要があります。

いずれにしても、95%以上の信頼度があれば、”かなりの確率”と

言っても過言ではないと統計学では考えられています。

もちろん、サンプルが多ければそれだけ結果精度も向上しますが、

統計学では、ある一定のサンプルが集まれば、それよりも多くとっても

結果はあまり変わらない。ということになるのです。

つまり、たくさん取りすぎても結果はあまり変わらないから、

統計的に必要な数だけサンプルをとる。という行為で統計学を

使ってかなりの確率で推計できるのです。

とはいっても、放送局が一度、当確を出して取り消しというとなると、

局の信頼性が問われます(過去に何度か発生しています)。

そこで、各局は100%に限りなく近い推測を立てたいので、

出口調査だけでなく、事前アンケートや過去の実績など、

いろいろな補足因数を足しているようです。

これは、統計を少し勉強して、エクセル(分析ツールという

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葛西 伸一

株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員

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