仕事意識を拡張する~楽観主義は身を救う

2009.07.26

仕事術

仕事意識を拡張する~楽観主義は身を救う

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

私たちは自分の「仕事」が「労役」化してしまう引力に常にさらされている。そうならないための最大の処方箋は、力強い楽観主義を持つことである。

* * * * *

ものごとを楽観的に構えるとは、いろいろな方法や思考法があるでしょう。
私は次のように
仕事というものに対して意識を拡げてみてはどうかと言っています。

○例えば、仕事は「ゲーム」だと考えてみる。
ゲームはある種の勝負事ですが、遊び心をもって楽しんでやるものです。
現在、仕事上で目の前に抱えるトラブルや困難は、
ゲームを面白くするためにゲームメーカーが仕組んだ障害物だととらえてみる。

テレビゲームを1面1面クリアしていくように、
1つ1つの問題を解決して、「よーし、次の面はどんな面だ」と待ち受けることができれば、
仕事のストレスは軽減され、質さえ変わる。

○また、仕事は「絶好の学び機会」だと解釈してみる。
仕事はさまざまに私たちに“解”を出せと求めてきます。
しかし、解がすんなり出せる公式はありません。
だからこそ、無上の学習機会なのです。学習は成長でもある。

しかも、給料をもらいながら、こうした学習と成長ができるのです。
有り難い話ではないですか。

○さらに、仕事は「趣味・アート」だととらえてみる。
今は一個人の趣味活動やスタイルが消費者の心をつかまえて、
そのままビジネスになりうる時代です。

自分の興味・テイスト・スタイル・凝った技能を仕事に付加してみる。
好奇心をエネルギーに変えて、
「こんなこと考えてみました」とか「こんなふうにつくってみました」と、
自分表現のアウトプットを上司や組織に提案してみる。
思わぬところから、「お、それいいね」と反応が起こり、
一気に仕事が面白くなるかもしれない。

「趣味ゴコロ? 自分のスタイルを付加する? そんな努力したって所詮ムダ」
とシラけて何もしない状態こそ、悲観主義者です。
楽観主義者は、そこでこそ行動を起こす人なのです。
確かにそんなヘタなことをしてみても、容易に周囲が称賛してくれるわけでもないでしょう。
しかし、誰か一人でも反応してくれれば、そこから何かが開けることは十分にあることなのです。
人生の転機とは実際そのような些細な一点から生じるものです。

* * * * *

下の図は、私たち一人一人が常に傾斜に立っていることを示したものです。
(ベルグソンの箴言を図化したもので個人ブログでも紹介しています

この世の中は、残念ながらと言いましょうか、思慮深きと言いましょうか、
私たちに下向きの(精神的)引力を四六時中はたらかせています。
言いかえれば、
私たちは気を緩めれば、いつでも下に転がるような摂理の中に身を置いているのです。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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