影響力を解剖する(6)影響力の源-2

2007.08.20

ライフ・ソーシャル

影響力を解剖する(6)影響力の源-2

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「影響力の源」は次の6つでした。 (米国の社会心理学者、フレンチとレイヴンの説) ・賞影響力 ・罰(強制)影響力 ・正当影響力 ・専門影響力 ・参照影響力 ・情報影響力

「無意図的な影響力」

のひとつとしても、すでにご紹介しました。

*影響力を解剖する(2)無意図的影響力-2

私たちは、小さいころから、
親をはじめとする周囲の人々の「考え方」や「行動」を
真似ることによって、「生き方」を学んできています。

ですから、

「あのような人になりたい」

という願望が、
心の奥深く植えつけられているんじゃないかと思います。

このため、命令されたわけでもないのに、

「あこがれの人」(理想像)

のしぐさや服装を勝手に真似したりするわけです。

そしてまた、こうした尊敬や好意を抱いている人からの

依頼や指示・命令

だったら、私たちは喜んで聞きますよね。

最近、ビジネスでは

「人間力」

という言葉がキーワードになっています。

優れたビジネススキルを有しているだけでなく、
明確なビジョン、ぶれない決断力や危機対応能力、
部下育成能力、そしてまた

「人としての魅力の高さ」

を備え持つリーダーは、
あえて「賞影響力」や「罰影響力」を駆使しなくても、

「あの人のためにがんばりたい」

といった「自発的」で
高いモチベーションを部下に与えることができるからです。

[情報影響力]

これまで紹介してきた5つの影響力は、

「外的な刺激(賞、または罰を与える)」

または

「誰が言うか」

ということが影響力を左右してきました。

しかし、「情報影響力」は、語られる言葉、文字そのもの、
すなわち「内容」(コンテンツ)自体が持つ影響力です。

理路整然とした展開、様々な具体事例を挙げながらの話って、
語り手が誰であるかにかかわらず、

「なるほど、そうなんだ」

という印象を持ちますよね。

つまり、内容自体が優れていると
それだけでも高い説得力を持ちうるわけです。

実際、狂信的なカルト団体のメンバーを
その団体から脱会させる時に有効なのは、
強い「参照影響力」を持つ教祖の話の論理的矛盾を突いたり、
メンバー本人の思考や行動の不合理さを会話を通じて
自覚させるといった、

「情報影響力」

のアプローチだと聞いたことがあります。

『影響力を解剖する』
(今井芳昭著、福村出版)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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