2008年12月にF1からの撤退を決めたホンダ。そのホンダの後継チーム、ブラウンGPが破竹の快進撃を続けている。撤退するために、わずか1ポンドという価格でチームを売却したホンダは、何を得て何を失ったのだろうか? 撤退後の半年を振り返ってみた。[吉岡綾乃,Business Media 誠]
もしホンダがF1から撤退していなかったら……終わったことに「たられば」を考えても仕方がないし、ホンダチームが残ったとして、現在の成績を残せていたという保証もない。今の好成績は、メルセデスエンジンのたまものなのかもしれない。しかしタダ同然でチームを売却し、多額の保証金まで払って無理やり撤退したことと引き替えに、本来なら得られていただろうはずの莫大な広告効果を、ホンダが失ったことを否定する人はいないだろう。
撤退すると社長が発表したあと、チームとしても人脈としてもその跡を残すことなく、すっぱりと姿を消したホンダのやり方は、果たして本当に賢かったのだろうか。
ホンダはその潔すぎる撤退劇のおかげで、経済誌や著名評論家が「英断」と評するいう“名”を得るとともに、多大な広告効果という“実”を失ってしまったのではないか? ゴール直後、快哉を叫ぶバトン選手をテレビで見るたびに、筆者にはそう思えてならないのだ。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.06.11
2009.06.16