「テキストマイニング」とは、企業ユースとしては、 主に、コールセンターやWebサイトなどに寄せられた 顧客の意見や感想、クレームなどの 「生の声」 を分析する方法です。
係り受け分析によって、顧客の意見や感想、評価などが
それぞれどの程度の多いかが数値で正確に把握できますね。
そして、さらに上記のような分析を
回答者の基本属性(性、年齢、職業など)で切る
「クロス分析」
を行い、性別、年齢別、職業別に
それぞれ生の声がどのように違っているかを深く探ります。
また、さらに高度な分析方法として、
似たような発言をしているユーザーをグループ化する分析
(クラスター分析)などを行います。
さて、ここまでは、
従来のテキストマイニングの典型的な分析方法です。
ただ、これらの分析だけでは、
知りたいけれど、実際の分析は困難なことが一つありました。
それは、
回答者の「感情(感性)」を定量化できない
ということです。
もちろん、たとえば「香りが良い」というのは
好意的な感情表現だから
「ポジティブ」
である。
逆に、「香りが好きじゃない」という発言が
あったとしたら、これは
「ネガティブ」
な感情表現であるという2分法の分類までは
おおむねやります。
すなわち、
ポジティブ(好意的)-ネガティブ(否定的)
という感情の両極で見て、
ある製品に対する評価を定量化するわけです。
しかし、この作業は基本的に手作業です。
ひとつひとつ生の発言を見ながら、これはポジティブ、
次のはネガティブと分類しなければなりません。
したがって、ポジティブ・ネガティブの2つに分けるので精一杯。
それ以上細かなニュアンスを分類するのは実質不可能でした。
ここで、細かなニュアンスというのは、
・意見
・願望
・不満
・後悔
・要望
といったことです。
さすがにこれだけ細かいニュアンスがわかるように、
生の声を分類するのは、手作業では実質不可能でした。
しかし、テキストマイニングの研究も日進月歩。
進化のスピードは速く、最近、
細かな感情表現の分類が可能なツールが登場しています。
それは、(株)NTTデータが開発・販売する
です。
「なずき」とは、“人の脳”の古称だそうです。
このツールを使うと、
最大「81種類」の感情表現別の回答件数を
把握することができます。
たとえば、顧客の生の声を分析して、
・好評 40件
・苦情 25件
・要望 18件
といった形で顧客の声の感情表現を把握することが可能です。
上記Webサイトを見ると、
日本語意味理解製品『なずき』
というタイトルが使われていますが、
文字通り、言葉の表面的なつながりだけでなく、
発言者の感情を抽出し、定量化することができる点で
画期的なツールだと思います。
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2007.11.20
2008.09.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。