まもなく(09年5月21日から)、 「裁判員制度」 がスタートしますね。
実際、過去の裁判のうち、
目撃証言が決め手となって有罪判決が下されたものの、
後に真犯人が現れ、無罪となったケースが相当数あります。
つまり、目撃証言は明らかに間違っていたのです。
ということは、真犯人が現れなかったために、
そのまま無実の罪に問われたままの冤罪事件も
あると言えますよね・・・
最後に、心理学者によって行われた
シミュレーション実験を簡単に
ご紹介しておきます。
これは実際の事件に近い状況を
再現してみたものです。
実際の事件とは、
ある政党の本部が時限式火炎放射装置で
攻撃され、炎上したというものでした。
当事件では、残された装置の部品から、
その部品を販売した問屋が割り出されました。
そして、事件から3ヵ月後に
ある問屋が事情聴取を受けた時、
この店で事件が起きた1ヶ月前の某日に
同タイプの部品を購入した客が怪しい
という話をしたのです。
その日応対した店員は、
当日のことを徐々に思い出し、
ついに300人の写真帳から1人の人物を
選びだし、その人物が被疑者となりました。
さて、ミュレーション実験は、
事件発生から数ヶ月も経過した後の店員の記憶が
どの程度信頼できるかを検証するために行われました。
実験協力者(3人)は問屋に電話をかけ、
小売をしてもらえるかを確認した上で
店に出向きます。
そして、名刺を渡し、
品物を現金で購入するのです。
その際、
応対した店員の名前を聞いておきました。
実験協力者はスーツにネクタイのビジネスマン風。
ただし、存在を印象づけるためあえて、左手に
包帯を巻いてもらっていました。
こうして訪問した問屋は、
おもちゃ、スポーツ用品など様々な商品を
扱う125店でした。
さて、それから3ヵ月後、
実験を計画した心理学者らが各問屋を訪ね、
店員に実験の趣旨を説明した後、
3ヶ月前に来た客のことを思い出して
もらったのです。
回答を得られたのは86人の店員でした。
客の性別、年齢、髪型などの特徴について
の平均正答率は43%。
また、事前の電話の有無や販売の様子に
ついての正答率は35%。
3ヶ月前のことにしては
比較的覚えていると言える率ですかね。
しかし、写真帳を見せて、
当日来た客を選び出してもらうように
依頼したところ、86人中、29人は、
もはや顔を覚えていないとして選ぶ
ことができませんでした。
一方、残りの57人は何らかの写真を
選び出したのですが、なんと正しい写真を
選んだのはわずか8人。
残り49人は、まったく見たこともない人物を
選び出したのだそうです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.17
2009.10.31
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。