今年の新入社員である『ハチロク世代』は、ビジネス的に、何かやらかしてくれそうな予感がある。 かつて「新人類」と呼ばれていた40半ばのおっさんは、実は、その世代の動きが、とても驚異だし、気になっているのだ・・・。
それならやるっきゃないですね・・・と言うことで、みんなでこの著作を英語に翻訳しようという試み=『シリコンバレーから将棋を観る』全訳プロジェクトに挑戦した。始まったのは、今年のゴールデンウィーク中の4月29日のことである。
すると・・・な・なんと・・・
5月5日には、全訳が終わってしまったと言う報告がされている。
未熟な英訳であると自認した上で、「十数名のメンバーではできることに限界がある。でも、1億2千万人のメンバーができることには希望がある」と、その公開に踏み切っている。
このスピード感は、どうだろう。
このポジティブさは、どうだろう。
感服だ。
そして、驚くべきは、本当に、サイトを見た有志達が本当に集まって、役割&機能分担をしながら進められているプロセスだ。
翻訳を終えた5月7日のサイト上には、こんなことが書かれている。
『まず分かっていただきたいのが、メンバーのほとんどが海外で教育を受けたことがない人であるということ。また、メイン翻訳者の平均年齢は21歳く らいであり、これまでに翻訳の経験が皆無なこと。それでも彼らは、少しでもこのプロジェクトの役に立ちたいと思い、手を挙げてくれたのです。そして、自分 の英語力のなさに愕然としながらもしっかりと与えられた章を訳し切りました。それでも、改めて、僕たちがどんなに頑張ってところで、英語力には「限界」が あるのです。ここまで読んで、よくもぬけぬけとそんなことが言えるなと思った人がいるかもしれません。そんな声にはこう答えさせていただきます。
そもそも梅田さんだって僕たちには翻訳の質なんて求めていない、と。
もし初めから完璧な訳を求めていたのなら、どうぞご自由に訳してくださいなどとはブログに書かなかったでしょう。だって、そんなのプロに頼んじゃえば質の高い訳が保証されるんだから』。
この動きは、梅田望夫さんも、随時チェック&支援されていて、ご自身のブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」内で、
翻訳の細部の質なんかよりも、うんと大切なことがある。「揚げ足取りのネガティブなウェブから高め合いのポジティブなウェブへ。ここまで当プロジェクトがやってきたのは、ポジティブな風を少しでも吹き込めるようにするための土台作りです。」日本語圏ウェブ空間を、自らの手でよい良いものにしていこう、と思って、新しい価値観をもって行動する若い人たちのスピリッツとリーダーシップのほうがうんと素晴らしいし、個人的にも嬉しい。
それにしても凄いエネルギーとスピードであると賞賛されている。
次のページ「志」で繋がれたゆるやかな連帯
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。