問題解決っていうフレームはあんまり・・・

2009.04.26

仕事術

問題解決っていうフレームはあんまり・・・

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

問題を解決するんだ!と絶叫する経営者や煽るコンサルタントがたくさんいて困ります。あんまり枠組みとしてよろしくないです。マチュリティが高くない組織でこれをやると、会社の雰囲気が相当悪くなって、人材のリテンションが図れなくなります。

 過去に悪いことがあったら、それに縛られるんです。原罪思想にも近いですね。

 ただ、アウトカムフレーム的に、ソリューションフォーカス的に考えると、過去の「ある事象」「悪かったこと」は、今後の状況を変えることにより、「いい未来」を作ることによって、意味合いが変わってくるんですね。

 つまり、今と未来が「よい」状況になれば、過去の意味合いは、「よい」状況にいたるプロセスとなります。

 過去に縛られなくて済むんです。

 現在がその瞬間、瞬間に生成されて、そこから過去へと時間が流れていくという考え方ですよね。

 これは人間、集団の精神衛生上、非常に重要ではないかな、と思うのです。

 ただ、人は連続性を求める側面があって、現状が次から次へと変化してしまうと、過去の事象すべての意味合いが次から次へと変わっていってしまう世界観に、ちょっと落ち着かなくなるというか、つらいかもしれないです。

 ただ、過去に縛られて動けなくなるのとどっちがいいの?ということです。

 過去を誰かが責められてしまうのとどっちがいいの?ということです。

 いい未来を今から作れば、全てがハッピーになる。そのほうが希望が持てるのではないですか?

 ボストンコンサルティンググループがシナリオプランニングでやってる、非連続的変化、というやつも、この考え方をゆるやかにしたものかな、とも思います。

 うまく伝えられてますか?

 ただ、クライアントサイドで大手コンサルティングファームをやり方を見ていると、非常に、集団のメンタルヘルスを悪化させているなあ、と思うようなことがけっこうありました。

 「問題」を経営陣に報告するはするでいいんですが、あんまりいいやり方ではないなあ、と。

 まあ、コンサルティングにいた、すごく若かったころは、私自身もクライアントにそう思われていたかもしれないですけど。

 さて、今日もちょっと難しいお話しでしたね。ごめんなさい。でも、今後はこういうことがけっこう大事だと思います。

 こういったナレッジがあなたのビジネスライフに資することを心より祈ります。それでは次回をお楽しみに。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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