日本第1号店である銀座店オープン時の長蛇の列が記憶に新しいH&M(Hennes & Mauritz:ヘネス・アンド・マウリッツ)に続き、ファストファッションの黒船が続々押し寄せ、戦争が激化している。しかし、この戦争の影には単純な構図で読み解くことのできない、ユニクロを抱えるファーストリテイリングの戦略が見えてくる。
ジル・サンダーがユニクロのファッション性をより高める。その代わり、若干、ユニクロ商品単価を上昇させるのではないだろうか。価値が高まったのであれば、その理由は付く。
ファッション性はいらないという顧客はジーユーですくい取る。顧客流出は極小化を図る。
また、価格上昇といっても、同じく傘下の「Theory」ブランドほど高くない。しかし、ジル・サンダーの手によるシルエットが手に入る魅力を訴求する。
その意味からすると、傘下のブランドポートフォリオ管理はユニクロの強化を主眼においているのではないかと考えられるのだ。強大なユニクロブランドの価値をさらに高め、その収益性を向上させる。それが、ファーストリテイリングのい戦略ではないかと推察した。
「2010年グループ売上高1兆円・経常利益1500億円」。ファーストリテイリングの視線は、足下のファストファッション戦争の遙か先を見ているのだろう。
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2009.02.10
2015.01.26
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。