購買部は企業の中で外部への支出の大部分を管理、発注を行う部署です。企業によって様々な呼び方があると思います。 ただ、日本の大部分の企業では、このような購買機能を専任で担当する所謂「購買部」は存在しないのではないでしょうか?
購買部は企業の中で外部への支出の大部分を管理、発注を行う部署です。企業によって様々な呼び方があると思います。
「購買部」「調達部」「資材部」「ソーシング」「プロキュアメント」「パートナー管理部」・・
いずれにしても、大部分の製造業には所謂『購買』機能を持つ組織があると思います。
ただ、これが日本企業の中で過半かというとそうでもないかもしれません。
中小企業や非製造業においては営業部や経理部は殆どの企業に存在するとは思いますが、購買部が存在する企業は殆どないと考えてよいと思います。
平成16年に行われた総務省の「平成16年事業所・企業統計調査」によると、例えば日本の法人は153万社あるようですが、そのうち150.6万社(98.4%)は資本金1億円以下の中小企業です。
業種別には資本金1億円以上の製造業の数は約7,100社(0.5%)とマジョリティではありません。
そうやって考えると製造業他業種で購買部がありそうな企業は約9200社(0.6%)、昨年のアジルアソシエイツで行ったアンケート調査で購買部門の従事者は全社の約4%程度が中心値であったことを考えると、購買部なるものの従事者は約64,000人程度で日本の全企業の従事者約2,000万人うちの0.3%にしかすぎないのです。
(ちなみに64,000人というと鹿嶋アントラーズの本拠地の鹿島市の人口や埼玉スタジアムの収容人数とほぼ同じです。)
なんとスモールワールドなのか!!(こういうスモールワールドを相手に商売をやっている会社も会社ですが。。)
それでも企業経営は回っている。。
本当に購買部は必要なんでしょうか?
私のそれに対する意見は「購買部は必ずしも必要ではないが、購買機能は必要である」ということです。
特に上場企業ではJ-SOX法や新会社法に基づく内部統制強化が叫ばれています。某国営放送ではないですが、購買プロセスを管理できていないため、受信料の不払いが相次ぎ、企業でいうところの売上が激減している状況等を鑑みますと、今後購買機能を強化し、サプライヤ選定、発注・契約、検収の徹底等の購買管理を行う方向に各社が進んでいくことは確かです。
一方で、支出最適化という点からも購買機能は重要な役割を果たします。支出の最適化の方法論は大きく3つに分かれます。
1.競争させる
2.コストを精査する
3.前提条件を変える です。
従来であれば集中されていなかった支出を企業規模やグループ全体、もっと言えば他社と共同で購買をすることでスケールメリットを生かしていく、等は前述の中で3.前提条件を変える、に該当しますが、現状購買部門が存在していない中堅・中小企業でも、この3つのセオリーは当てはまります。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。