ロフトワークが日本最大クリエイターネットワークを築けた理由2

2009.03.31

開発秘話

ロフトワークが日本最大クリエイターネットワークを築けた理由2

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

『ロフトワークドットコム』はクリエイティブのインフラサイトである。抱えるクリエイター数は1万人あまり、そのクリエイターをクライアントと結ぶのがロフトワークのプロジェクトマネジャーだ。単なるマッチングではなく、プロジェクトマネジメントを付加価値とするロフトワークのシステム、その背景にある考え方を紹介する。

ロフトワークのコンセプトは『ハッピー』。人がハッピーになることに貢献できていれば自分たちもハッピー。こうした考え方が企業文化として根付いている。だから自分たちが介在しなくとも、クライアントとクリエイターがハッピーならそれでいいという。ただし、単にふわふわしたハッピー気分だけじゃダメなのだ。

「メセナという言葉には抵抗があります。企業に余裕があるときは支援するけれど、余裕がなくなったらやめるという姿勢は、勝手すぎると思うから」

だからこそハッピーが続く仕組みが大切なのだ。自分たちが価値のある行動をしているのなら、その対価はきちんと取らなければならない。逆にいうなら対価を取る限りは、相手に価値を認めてもらえるだけの行動をしなければならない。それでこそサステナビリティが担保され、考え方にも筋が通る。

そして転機が訪れた。

「2年目くらいにクリエイターが急増した時期がありました。彼らのポートフォリオを見ると、とても素敵な絵を描く人がいっぱいいました。これは絶対に価値がある。この才能を世の中でどのように使ってもらったら良いのだろうと考え、思いついたのが年賀状でした」

ロフトワークの自主企画『クリエイター、デザイナーが作る年賀状』である。ユーザーはサイトを見て気に入ったデザインの年賀状を指定する。オーダーを受けてロフトワークがオンデマンド印刷を発注し、納品する。

「協力してもらう印刷会社から、君たちおもしろいことやってるねって興味を持っていただいたんです。それで次の年に同じ企画で暑中見舞いのデザインの仕事をいただきました。これが、初めて請求書を発行する仕事になりました」

嘘のような話だが、この案件を納めるまで林社長(当時)は、請求書の書き方を知らなかったという。創業2年が丸々過ぎようとするまで一度も請求書を切ったことのない会社、それがロフトワークなのだ。

⇒次回「クリエイティブとプロジェクトマネジメント」へ続く(全四回)

『株式会社ロフトワーク 関連リンク』
・Web制作をはじめあらゆる制作、デザインのニーズに応えるロフトワーク
 http://www.loftwork.jp/
・日本最大のデザイナー、イラストレーター、映像クリエイター、その他全てのクリエイターのためのポータル loftwork.com
 http://www.loftwork.com/
・ウェブのエキスパートの為の情報ポータル 「ウェブエキスパート」
 http://www.webexp.jp/
Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す/
・林千晶ブログ【女性ベンチャー起業家の細うで繁盛記】
 http://www.loftwork.jp/blog/chiaki/

◇インタビュー:竹林篤実/坂口健治 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:小林友美 ◇撮影協力:㈱オンボード 

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