単なる天の邪鬼かもしれないが・・・。あの居酒屋、あのヒトの家のトイレに必ず貼ってある、あの説教くさい日めくりカレンダーを見ると、気持ちがどんよりする。 何故なのだろう。その便所のご教訓は、本当に、いま必要なのか。
自分の「内」を重視する教訓が、本当に役に立つのは、自分の「外」と真剣に闘ったヒトだけだ。
ぬるい人達が、トイレで無防備に「人間だもののぁぁぁぁ」と感心する毎日が、そのヒトを取り巻く社会を良くするとは思えない。
人間は、「内」も「外」もあって人間だ。
「外側」の評価と「内側」の評価をイコールにすることに悪戦苦闘するのが人生だ。
「私になる」とは、「公になる」と、同等だ。
ヒット映画『20世紀少年』の原作者・浦沢直樹氏は、週間ポストのインタビューで「万博や昭和へのノスタルジーが全て良しとする風潮を壊したかった=いじわるしたかった」という旨の発言をしていた。ノスタルジーって、結局、懐古趣味で、その行き着く先は「自己愛」だ。偏った「自己愛」が、歪んだ未来を創るお話なのだ。
T.REXが唄う懐かしい主題歌「20th century boy」は、次のように終わる。
I'm your toy, your 20th century boy♪
俺はキミのオモチャなんだよ。キミの20世紀の坊やなんだ。
ちゃちな「自分教」より、やるべきことがある。
そうしないと、我々は、真の21世紀が迎えられない。
「内側」に向かへというコトバに癒される前に、やるべきことがある。そうしないと、いつまでたってもこの国は、自分教に心酔する少年ばかりになる。
「内側」に向かいたくなる自分の弱さを認める。そのメリットは、「強くなる」しかない。
便所でのぬるい自己容認は、何のメリットもない。
それこそ辛気くさーい説教の文句にしかならない。
その臭さを、21世紀の少年達は、敏感に嗅ぎ取っている気がする。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。