バブル崩壊以降、企業の構造改革は進んだと思う。 しかし、それはイノベーション領域や、オペレーションの強化の方向ではなく、人材面のリストラと事業ポートフォリオの見直しが中心であったと思う。
990年代当初のバブル崩壊後の10年間、それからその後の5年間、企業だけでなく社会環境自体がかなり変わってきたことを感じています。
最初の10年間で特に変化したのは、人財面でしょう。
近年はその状況がより進み、今は格差の時代だと言われています。
政治のあり方なのか、企業の行動なのか、国民の意識なのか?その原因はよくわかりませんが、本当にドラスチックに変わったと思います。
まずは社員。
以前は自前の雇用が殆どでした。今は、派遣、業務委託、請負、人材紹介等、人に関する業務の外だしが当たり前のように行われています。「ハケンの品格」というドラマがヒットする時代であり、派遣社員がいない会社は最近では珍しくなりました。
次は、社員構成。
以前はピラミッド型の組織で、製造業ですと42歳で課長に、47歳で次長、50歳で部長に昇格し、早い人で53歳で末席役員に。それ以外の人は関連会社や子会社へ出向。
先日、私の出身会社の人と話をする機会がありましたが、非常に保守的かつ伝統的な日本企業であるにも関わらず、40代後半で役員になる人がでてきているようです。
何故なら?皆リストラされてしまったからです。
最近、バイヤー業務でも大規模なリストラの影響で、現場の知識やサプライヤ指導、工程監査や、海外サプライヤの開拓、等の業務遂行に支障をきたしているという話を聞きます。
一方で、そういうノウハウを内部に最育成するのではなく、手っ取り早く外部に仕事を依頼する企業が増えており、日本企業のスキルの空洞化のような状況を感じます。非常に危険な兆候です。
また、2000年以降の5年間で最も変革したのは、事業ポートフォリオだと思います。
企業再生を始めとして、事業のリストラクチャリングは特にここ数年ドラスチックに進んでいます。
これは単体の事業だけではなく、企業のM&A、合併や共同事業化の推進等、いろいろな場面で本格的に事業のリストラが進んでいます。
これの引き金になったのは、そもそも企業を支える側であった金融機関の合従連衡だと思います。
私が就職した当時は都市銀行は11行ありましたが、いまは、4グループのみです。その当時優秀な人たちはこぞって銀行に就職しましたが、それぞれの銀行に就職した人たちが今は同じ銀行に所属しているといった状況です。
今では、M&Aは日常茶飯事であり、それが、事業ポートフォリオのリストラにつながっていると考えられます。
このようにバブル崩壊以降、社会環境や経営環境は大幅に変化してきました。
特に人財面と事業面で。。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。