大ブームの手帳活用術・成功のヒミツは?

2009.02.04

ライフ・ソーシャル

大ブームの手帳活用術・成功のヒミツは?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

今年も月が改まって2月になった。何らかの目標を立て、新しい手帳で活動を開始した人も多いだろう。書店に行けばまだまだ様々な手帳が販売されている。一つのブームともいえる手帳活用術。なぜ人々はそれに惹かれるのか。そのヒミツを考えてみたい。

■ヒミツその3:「フレームワーク」

目標を設定して、自ら行動をして振り返理をし、改善する。つまり「OPDCAサイクル」をまわせばよくなることはわかっている。しかし、「一体どうやればいいのか分からない!」「やり方が分かればとっくにやっている!」という声も聞かれる。そのために、手帳には実践のためのフレームワークが用意されていることも多い。先の「ランニングダイアリー」では、有森裕子などを育てたカリスマコーチのトレーニングメニューが示されており、それを実践すれば完走ができるとされている。
ビジネスパーソンに人気の手帳では「勝間和代手帳」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。2005年にウォール・ストリート・ジャーナル「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれ、メディアも数多く登場している同氏は、自身の成功のヒミツを数々の書籍で記している。手帳には自由な発想を促し、ライフ・ワークバランスを保ち、そのためにも時間の管理術を身につけるというメソッドが凝縮されているという。
同様な効用を示すものがフスティーブン・R・コヴィー氏による「7つの習慣プランナー」(フランクリン・コヴィー・ジャパン)だ。過去の膨大な書籍から人生や家庭、事業などに関する成功の秘訣をまとめ上げたとする「7つの習慣」をフレームワークとして手帳に記されている。
自分自身ではなかなか実行できないことを、フレームワークに沿って進めれば目標が達成できるというところがブームの理由でもあるのだ。

■ ヒミツその4:「アナウンス効果」

アナウンス効果とは、選挙の際にしばしば話題になるが、メディアなどが投票結果などの予測を発表することによって有権者の行動が変化し、結果に影響を与えることを示す。ここでは「自らの目標を公表することによって、周囲の人から影響を与えられる」と解釈したい。ダイエットなどにおいては特に有効だ。「私はダイエット中です!」と明言することによって、呑みに誘われない、お菓子を配られないなどの効用があるほか、「最近痩せてきた?」などと聞かれ、実行せざるを得なくなという効果があるとされている。
手帳において「実行せざるを得なくなる」という効果は特に大きい。目標がダイエットだったり、マラソンだったりと明確なものほど、その手帳を使っていれば周囲にもバレバレだ。密かに隠していてもどこかで表面化するだろう。もしくは、ある程度続けられて頑張っている段階になると、自分で言いたくなるのも人の常だろう。そうすると、もう後に引けない。その効果は大きいのだろう。
筆者の手元には、先の「金哲彦のランニングダイアリー」がある。始めれば15週間のスタートだ。こうして記事したら後には引けない。第1日目をいつにするかが問題だ。

さて、今年もあと11ヶ月ある。目標を絞れなかった、手帳を始められなかったという方にもまだチャンスはある。人気の手帳は、カレンダーと連動しているものばかりでなく、自分が始めようとした日からスタートできる自由記入式のものも多い。筆者がランニングの第1日目を記す日も近いハズだ。目標を決め、実行に移す最適なツールとして手帳活用術を初めてはいかがだろうか。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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