戦略の議論は、結局、リソース配分の問題とポジショニングの問題に帰結します。それはどういうこと?というところをもう少し本質的に捉えるという試みを今日はやってみようと思います。
それが事業であり、その事業が、なんとか持続的競争優位を保持するための、打ち手の束を考え、実行するのが戦略ということですね。
というと、ちょっと、リソースベーストビュー論者だ!と言われそうな気もしてきました。
ただちょっと捻りますね。
ちょっとわかりにくくなるかもしれません。ごめんなさい。
「あなた」が外部環境を見ているように、外部環境もあなたを見ているんですね。そして、あなたのアクションは外部環境を変えていくと同時に、あなたのリソースを、あなた自身を変えていく。
外部環境に対して、すごく大きなリソースでも、すごく小さなリソースでもなんらかの作用を起こすことによって、環境は変わっていく。
静的なポジショニングの枠組みの中を、「あなた」が移動していくのではなく、そのポジショニングの枠組み全体に「あなた」が作用し、そして変化する外部環境もあなたに作用する。
もし、こんなねじれた時系列変化を、変化の以前から2次元に記述できたらすごいですけど、多分記述しえないですよね。
たいていは、結果から見た静的なポジションニングの枠組みを使ってコンサルタントはまことしやかにご説明するのでしょう。
現在の取りうるポジションはリソースと一意に決まっていながら、打ち手を打ち始めた瞬間に、「あなた」のリソースと、「あなたが見る外部環境」は相互作用を開始し、変化する。
時間を経て、結果的にポジショニングは変わっている。
当たり前だ、と思いますか?それともわけがわかりませんか?
ただ、こういうものの見方で、「あなたのリソース」と「外部環境」を眺めてみて、プランニングをしていくと、これまでと少し違ったプランができそうな、打ち手が打てそうな気がしてきませんか?
今日はこの辺りで終わります。リソースベーストビューと、ポジショニングビューについては、また別の機会に解説しようと思います。
それでは次回をお楽しみに。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。