社会的使命(ソーシャルミッション)の共感が優秀な人材を引き寄せる

2009.01.10

組織・人材

社会的使命(ソーシャルミッション)の共感が優秀な人材を引き寄せる

中島 康滋

経済環境が悪化する中、キーパーソンまでもが流出してしまい、企業の未来が一気に傾いてしまうケースが続出しています。優秀な人材を確保していくために企業がすべきこととは何でしょうか?

企業が持つ本来の社会的使命

企業にとっての雇用は、労働対価を払うという関係ではあるものの、その人の人生の1/3近くの時間を占有してしまっているのは事実です。

その残りの1/3は寝ていますし、本人の自由な時間は残りの1/3ということになりますが、通勤したり食事をするなどの時間もあるので、ほとんどの時間が消費されて自分の時間はほんの少ししか残りません。

企業で働く1/3の時間は、その人の人生の時間でもあります。
ですから、企業としてはその時間に対して大きな責任があるといえるでしょう。
それはその人の人生における1/3の時間的責任があるといえます。

企業は、個人の社会生活における「企業の環境」がその人の人生に影響していることを自覚(意識)しなければならないでしょう。

この「社会的意識」が企業が持つ役割としてとても重要であり、社会における企業の「社会使命」の1つでもあります。

企業がこの社会的意識を持っていないと、人を機械と同じように扱ってしまうことがあります。

人にはそれぞれ人生があるので、機会や装置ではありません。

雇用の創出という社会的役割があり、その中で健全な雇用環境を提供し、企業も個人も成長していく関係こそが、あるべき姿ではないでしょうか。

「働く」というテーマで双方が時間を共有し、その中でその人の人生におけるすばらしい体験や活動をしてもらう必要があり、企業はその結果として収益を上げていきます。

この良好な関係が成立することこそが、誰もが理想とする関係であることは間違いありません。

一方で経済環境は悪化しています。

こういうタイミングだからこそ、企業の本心が見え隠れしてしまいます。

私も経営者としてリストラを実行した経験が何度かありますが、優秀な人材は経営者の対応を注意深く見ています。

経営は大変でしょうが、こういう時こそ慎重にしないと、本当に大切で必要な人を失ってしまうでしょう。

ですから、自らが創業した際の気持ちや社会的使命、そしていま感じていることなどをしっかり認識し、冷静な対応がとても大切です。

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