今年の調達・購買界を振り返ります
皆さん、ご愛読ありがとうございます。
今回は2008年の調達・購買界(そういうものがあるのか?)のニュースを
取り上げてみました。
1.世界経済環境の激変により調達・購買部門に
「百年に一度のチャンス」が訪れる。
今年の7月をピークに原油等の市況は急落しました。
また円高も拍車がかかり、
円ベースでの市況は過去数年見られないほど急落しています。
世間的には百年に一度の恐慌ですが、
今年の春頃までは「資材高騰」に悩まされたバイヤーにとっては
百年に一度のチャンスが訪れています。
一方でいい値上げをしていた企業と悪い値上げをしていた企業で
今後資材費低減のペースや幅は異なってきます。
トップラインが低下している現状、
企業収益に大きな貢献ができるのは調達・購買部門です。
今後来年の春先までに企業の調達・購買力の真価が
問われる状況になっています。
2.買うという仕事を社会に認めさせる本の出版
これは私の友人でもある坂口さんのご尽力の賜物です。
今年の始めに「牛丼一杯の儲けは9円」
秋口に「営業と詐欺のあいだ」が出版されました。
これらの本は従来では考えられませんが、新書として出版され、
世の中の多くの人に興味深い本として取り上げられました。
調達・購買界を社会に認めさせるための試みだと言えるでしょう。
3.バイヤーのための交流会「購買ネットワーク会」がますますパワーアップ
元々3年前に坂口さんと始めた購買ネットワーク会ですが
一層パワーアップし、17回まで回数を重ねました。
また最近では各回とも参加申し込みから一週間程度で
常に定員一杯になる状況です。
6月の第15回購買ネットワーク会の模様は
日経ものづくりの取材を受け紹介されました。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080703/154296/
また、11月には第一回の関西購買ネットワーク会が発足。
名実ともに「バイヤーのバイヤーによるバイヤーのための会」に
成長していきました。
4.調達・購買BPO事業の立ち上げ
S社やA社が間接材の調達・購買BPO
(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業を立ち上げました。
これらのビジネスは今後日本の間接材購買の中で
大きな流れを作っていきます。
従来であれば自前で人員の確保、システム導入、システム運用、
購買オペレーション支援を行っていたものを業務毎請け負うという
ビジネスモデルです。
今後これらのビジネスの活用により
調達・購買改革の裾野がますます広がっていくものと考えられます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。