潜在意識にとどく声(2)

2007.06.25

営業・マーケティング

潜在意識にとどく声(2)

唐澤 理恵
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役

営業に配属された新入社員。「おはようございます。」「○○会社の△△でございます。」と毎朝の朝礼で大きな声で復唱する姿。中には、地獄の特訓に送り込まれる営業マンも・・・・・・。果たしてこの効果は?

かつて企業の営業現場では、「地獄の特訓」と呼ばれるトレーニングがよく行われていました。

私自身もそれと似たような訓練を受けたことがあります。
駅前でひとり、大きな声で叫び、羞恥心を捨てていきます。

次第にそれが快感に変わり、すがすがしい気持ちにもなったものです。

当然、こういった訓練に向かない人も多く、
「受け入れることができない」と会社を去っていく人もいたことでしょう。

さて、こういった訓練の効果は理論的に証明できるのでしょうか。

自己演出のメソッドのひとつであるドラマセラピー。
弊社でも経営者や政治家のスピーチのトレーニングとして採用しています。

もともとは、殺人を犯してしまった少年や自閉症の治療のために使われている手法です。

いったいどういったものかというと、心理学に基づいた理論の基に作られています。

私たちは生まれたばかりの赤ちゃんのころ、意識はまったくありません。
すべて無意識のまま生きています。

両親や周囲の愛を受けながら、次第に少しずつ意識が芽生え、3歳の頃にはある程度の意識が出来上がっています。

そして、言葉を話すようになり、だんだんとしっかりした意識の基で社会生活を営めるようになっていきます。

ところが、社会生活にとってなくてはならない意識も場合によっては厄介な働き方をするようになります。

例えば、殺人を犯した少年が意識の働きによって自分が殺していないと思い込んでしまう場合があります。ドメスティックバイオレンスを受けた子どもが、それを意識的に消し去ってしまうこともそのひとつです。無意識の中に沈殿させてしまいます。この場合、大人になってから無意識の中の記憶が、いろいろな行動や心理にいたずらをし始めます。

また、私たちが人前で恥ずかしいと思う意識も子どもの頃にはなかったものです。人前で老人を助けるなんて、気恥ずかしい・・・・・・。そんな意識が芽生えます。

経営者による不正問題やパワーハラスメント。経営者は強くなくてはならない。不正を公にするのはプライドに傷がつく。こうでなくてはならないという肥大化した意識が問題をひき起こすとも言えます。

意識領域が強すぎると、膨大な感性や能力をもつ無意識領域(潜在意識とも言います。)が働かなくなってしまう。

その無意識領域を目覚めさせてくれるのが、実は声なのです。

営業が地獄の特訓で羞恥心を取り除き、どんなところにでも「飛び込み営業」ができるようになるというのは、無意識を呼び覚まし、余分な意識を瞬間的に取り除くことによってなせる業です。

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唐澤 理恵

株式会社パーソナルデザイン 代表取締役

「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。

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