セールスプロセス改善:問い合わせ顧客のニーズ有無の判断

2008.12.15

経営・マネジメント

セールスプロセス改善:問い合わせ顧客のニーズ有無の判断

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

以前に、SPINの解説をしたんですが、SPINでは、たいてい訪問していることを前提にしています。でも、電話で質問することも大事です。問い合わせがあって、全てに対応できるわけではないですから、営業の効率化のためにも、質問によるニーズ見極めが重要です。

 S、状況質問で、どのような状況なのか?まあ、業界動向など、マクロなことは、こちらで把握した上で、その会社がどのような業界全体のバリューチェーン上で位置づけられるか?ぐらいは理解して聞くことが大事ですね。確認に近くなるかもしれません。

 ただ、クローズドクエスチョン、YES/NOで答えられる質問にしない。オープンクエスチョンにして相手にしゃべらせることは大事です。

 その上で、Pに進む。

 こちらがある程度わかっていることを伝えながら、典型的にはこういうお悩みの会社さんが多いかとは思いますが、みたいなことをいいつつ質問する。そうすると、「うちは、こういうことで、」という答えが返ってくる可能性があります。

 逆にうちはこういうことで、うちもそういう悩みはあります、というのがないのならば、見込みは薄いです。

 このPの部分までにいかにしゃべらせるか?がニーズの顕在化では勝負ですね。このPの部分で乗ってこない、イコール悩んでいないと判断しましょう。

 当然、引き出すための質問スキルは必要ですよ。

 相手が考えているのならば、黙って答えを待ってください。

 一生懸命考えているかも知れません。

 それでも、ある一定時間以上対応するのもお金の無駄であるならば、「わかりました、いくつかご質問をメールで送らせていただきますので、そのメールの質問にメールで答えていただけますか?」とメールアドレス、お名前を聞きます。

 その時に、連絡先を教えないようであれば、見込み薄です。

 無駄だったと判断して、電話を丁寧にお切りしましょう。

 Pが明確になってきたら、IとNに進みます。

 Pが全体に及ぼす影響、つまりその問題はどんな影響を経営にもたらすのか?を聞いて、こんな影響がある、様々な影響があることを理解いただければそれでいいですね。

 それで、Nですが、ここまでしゃべればまともな営業マンならどういう提案をすればいいかはわかりますから、典型的にはこんなソリューションや、こんなソリューションありますよ、お勧めはこんなんですよ。

 とお話しした上で、価格帯はそれぞれ、こうなりますが、というお話しをして、今お伺いしたお話しから、いくつかご提案をお持ちしようと思いますが、条件が合えばご契約されますか?ということを聞きましょう。

 じゃないと、東京に事務所を構えつつ、九州のお客さんに対応できないですからね。

 かかる経費に比例して、念押しをしてから訪問したほうがいいですね。いきなり東京から沖縄出張したらいくらかかります?けっこうしんどいですよね・・・。

 と、ちょっと私の商売で使っているケースに近くなってしまいましたが、営業コストはかかるもので、成約率の高そうなお客さんにフォーカスしてお金を使うというのが大事ですよ、その時にその見極めに質問技法は大事ですよ、というお話しでございました。

 まだまだ、プロセス改善シリーズは続くと思いますので、次回をお楽しみに。あなたのビジネスにこのナレッジが活きることを心より願っております。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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