ようやく日本からも、正真正銘、ワールドクラスのネットサービスが生まれた。GPSとGoogleマップを使い、自分が訪れた場所にメモを残す『メモリ』。世界の見え方を変える可能性のあるサービスの本質に迫る。
そういう意味では、メモリは相当に非効率なメディアといえるのかもしれない。まずケータイでしか見ることができない。新着情報もデフォルトではトップページに5件表示されるだけだ。今はまだ知る人ぞ知るサービスであり、一日の投稿件数も少ないからそれでいいのかもしれないが、認知度が高まり投稿件数が増えてきたらどうするのだろうか。
「たぶん全国の新着情報表示をやめちゃうんでしょうね。本来なら全国ではなく、自分が今いる場所の周辺1キロ圏内とか2キロ圏内ぐらいの新着情報だけがわかればいいはずですから」
見事なまでの思いきった割り切り方である。確かにいまどこか特定の場所にいる人が、別の場所のメモリ情報を必要とすることはまずないだろう。逆にいえばメモリに蓄積されている特定の場所に関する情報は、いままさにその場所にいる人にとってこそ価値の高い情報なのだ。
「情報はマスに対して効率的に伝達してこそ価値がある。そんな嫌らしい考え方をどうやって排除するか。ここを突き詰めて生まれたのがメモリなんです」
まぐまぐという画期的な情報配信システムを立ち上げ、ネットでの情報配信のあり方を考え続けてきた大川氏だからこそたどり着いた一つの結論、それがメモリなのではないだろうか。ネットは情報流通のあり方を以前とは決定的に変えた。しかし、その変化には功罪が相半ばする。
「ブログとかを見ていてもわかるように、今の情報配信システムは本当に悪用されやすい。そしていったん悪用されてしまうと、データベースの全体の価値ががくっと落ちてしまう。そうなる理由は、あまりにも楽に情報配信ができてしまうからなんです」
だから、わざわざどこかに行かないと、その場所からの情報発信ができない仕組みがメモリなのだ。では、このメモリで大川氏は一体どのようなビジネスモデルを展開しようとしているのだろうか。
⇒次回「ビジネスモデルは?」へ続く(全四回)
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◇インタビュー:竹林篤実/清水優太 ◇構成:竹林篤実
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FMO第17弾【株式会社MemoLi】
2008.12.09
2008.12.02
2008.11.25
2008.11.18