ようやく日本からも、正真正銘、ワールドクラスのネットサービスが生まれた。GPSとGoogleマップを使い、自分が訪れた場所にメモを残す『メモリ』。世界の見え方を変える可能性のあるサービスの本質に迫る。
第1回 「空中に浮かんでいるメモ」
■その場所にメモを残す
「特定の場所に、永遠にメモを残せる。ただそれだけなんです」
メモリ(MemoLi)とは、まぐまぐ創始者・大川弘一氏が立ち上げたケータイメモサービスである。ケータイのGPS機能を使い、自分が今いる場所を特定する。その場所で感じたことを写真と共にメモに残す。残されたメモは『永遠に』保存される。
「どこかに行ってメモリにアクセスしますよね。すると、その場所に以前来た人が残したメモが空中に浮かんでいて、それを後から来た人が読むことができる。そんなイメージですね」
少し哲学めいた言い回しをするなら、人は必ず『どこか』にいる。そして、そのどこかで何かを感じ、思う。そのとき、その場で心に浮かんだことを、自分がその場所で生きていた証としてメモに書き残す。メモリとは、そのためのサービスだ。
「サービスをスタートしたのは、今年の2月ぐらいから。今のところは、どこそこの店で食事をしてどうだったとか、どこかに出かけてこんなふうに感じたとか、そういうメモが多いですね」
メモリはまだ、プロモーションらしいことを何もしていない。まぐまぐのメールマガジン発行者用サイトに、わずかに一行「まぐまぐ前社長・大川弘一からのお知らせ」という文章が掲載されているだけだ。これをクリックするとメモリの説明ページに飛び、そこには簡単な説明がアップされている。今のところプロモーションは、これがすべてだ。しかもPCからではメモリにアクセスすることはできない。
「あえてプロモーションはしていないんですよ。たぶん最初の1万ぐらいの書き込みが、このサービスの性格を決めると思うので、初めに誰が書いてくれるかがとても重要なんです。そこであえて小出しにしているというか」
まぐまぐ発行者サイトでのアピールが意味するところは、まぐまぐでメルマガを発行している人たちに、まずメモリを知ってほしいということだろう。自らメルマガを配信するような人なら、情報配信リテラシーも高い人が多いはず。そんな人たちにまず使ってもらいたいサービス。それがメモリなのだ。
▲まぐまぐに記されたメモリの説明。短いけれども、大川氏の思いの伝わる文章が記されている。
■質の高い情報を残す
「どこかに行った人が、その場で感じたことをメモにする。だからこそ価値があるんです」
大川氏がこだわるのは情報の質である。氏はよく、こんなたとえ話で情報の質の違いを説明する。
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FMO第17弾【株式会社MemoLi】
2008.12.09
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