ビートルズがブレイクした秘密は無名時代の「1万時間」にあったという。名付けて『魔法の1万時間』。何かに秀でるために最低限必要な時間をどうやってひねり出せばよいだろうか。
仮に毎日2時間ぐらい残業してがんばって仕事を覚えれば、さらに1年半ぐらい短縮できる。逆にいえば入社5年目ぐらいで、できる奴は頭一つぐらいは抜け出てくるといえるのかもしれない。
プロになるための1万時間
ただしごく普通にビジネスパーソンとして1万時間を過ごしても、それで何かのプロになれるわけではない。逆にいえば、何かの専門職(コンサルタントでもデザイナーでもSEでも何でもいいけれど)で1人前のプロになるために1万時間かかるとするとどうなるか。普通に考えれば、ビジネスパーソンと同じく6年となるのだが、こうした専門職の場合は、そんなにのんびりとはしていられない。
少なくとも3年ぐらいでプロとして稼いでくれるようにならなければ、彼らに給料を払う側がもたない。だから残業で追いまくるか、あるいは極めてハードなOJTで鍛え上げることになる。単純計算なら1日16時間やってもららないと3年間で1万時間には達しない。
もっともこうした専門職については、そもそもそれが好きだからやっている人が多いはず。ということは、その仕事に向いている可能性があり、さらには実際に仕事に就くまでにそれなりの勉強を積んでいるケースも多いはずだ。となると3年ぐらいで一人前になる人が多くても不思議はないだろう。
ビジネスマンでありながら一芸に秀でるために
では、普通のビジネスパーソンが何か専門的な技術を身につけるためにはどうすればいいのだろうか。何を極めるにしろ、とりあえず1万時間をひねり出さなければならない。といって毎日1時間ずつやっていたのでは30年かかってしまう。
そこで、まずハードルを少し下げて目標設定してみてはどうか。たとえば中小企業診断士の試験に合格するための勉強時間は1000時間といわれる。これを第一の目安とする。これぐらいの時間を何か一つのテーマの勉強・修練に費やせば、そこそこのレベルには達するはずだ。
すなわちプロとはいえるレベルにまではいかないにしても、その分野についてなら人に教えることができる、あるいは人に読んでもらってそこそこ納得してもらえるブログを書けるぐらいにはなるだろう。
ポイントは、ここ。まず最初の1000時間をできる限り短期間でやり遂げること。この期間を駆け抜ける時間が短ければ短いほど、あなたの変身ぶりは際立つことになり、まわりの見る目が変わるはずだ。これが狙いである。
あなたが短期間に変身すれば、そこから相乗効果が生まれる。つまり「これなら、あいつが得意だから任せてみよう」とか「このテーマについては彼が専門だ」といった形で、得意分野の仕事に携わる時間が増えてくるはずだ。すると1日8時間丸々は無理だとしても、仮に5時間それに関わるようになるとどうなるか。土日も何かしら勉強するとすれば、意外に5年ぐらいで1万時間を突破できるはずだ。
すると自分のやりたいことでプロとなり、自他ともに認められる存在になれる。さらには、そうして身につけたプロとしてのノウハウは、おそらく独立したとしても評価されるだけのレベルまで到っているはず。
目安としての1万時間作戦、始めるなら早いうちがおすすめだ。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.11.23
2008.11.29