コンプライアンスのための内部統制がCSR?そもそもCSRとは?

2008.10.26

経営・マネジメント

コンプライアンスのための内部統制がCSR?そもそもCSRとは?

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

CSR予算が不況のあおりを受け、削減されているというお話しはよく聞きます。でも、日本のCSRはよくわからないですね。コンプラとあいまって、内部統制がCSRというイメージもあります。今日はちょっと長いですが、CSRについてちょっと見てみようと思います。

 90年代後半から、ホリエモンに象徴されるように儲かればなんでもよい的な風潮がありましたが、儲けることに加えて社会的責任を問われるようなゆり戻しが起きていて、その流れの1つとしてCSR概念の導入があるんじゃないかな、と私は思います。

 以前も書きましたが、私の持論としては、自社の本業をしっかりやっていくことがCSRであると思います。そもそもの事業コンセプトの社会的バリューについてしっかり考え、実際に社会的価値を本業を通じて提供するという当たり前のことを徹底してほしいと思います。

 あるメーカーでは、「自社の製造物にしっかりと責任を持つ。それが当社のCSRです」とおっしゃっています。本業における責任を果たす。それ以外やらない、と。素晴らしいスタンスだと思います。

 あまり混乱しないで下さい。煽るコンサルティング会社に踊らされないで下さい。本業の社会性、社会的価値をしっかりと考える。その上で事業の方向性を考えていく。普通のビジョン策定から、戦略策定の流れと基本的に変えることはないと思うのです。

 ただ、現実的には社会的なことなんかよりも目先の儲けになってしまいがちです。戦略的に考えるよりも、目先が大事になりがちです。必ずしも、社会的に価値のある事業が儲かるかというと、そうはなっていないのが現実でしょう。

 社会的にまっとうだからこそ、存続できる、儲かる。そういう普通のことが実現するビジネス社会の実現を、私は心から願います。CSRがその1助になればそれはそれで素晴らしいことだと思います。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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