バナナダイエットは効果があるのか? をロジックで斬ってみる

2008.10.02

ライフ・ソーシャル

バナナダイエットは効果があるのか? をロジックで斬ってみる

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

本当に「バナナを食べてやせる」のかを、ロジックで少し検証してみたい。 あくまで思考実験の域を出ないが、成功させるためのポイントにもなっているかもしれない。参考情報として紹介する。

「インフルエンザの予防接種を受けている人は風邪をひきにくい」という通説がある。しかし、当然のことながらインフルエンザのワクチンは普通の風邪に効果はない。にもかかわらず、差異があるとしたら、「予防接種を受ける人は健康意識が高く、うがい、手洗い、マスク着用などを行っているから風邪の罹患率が低い」という結果だろうから、観察事項にバイアスがかかっている結果の通説であると言える。
バナナダイエットも同じことが言えるのではないか。

では、失敗した人はどうか。そのまるで逆だ。「朝食をバナナだけで済ませたから→やせる→その他の食事はOK」。その他の食事で、朝食のひもじさを補ってしまえばアウトなのは自明の理。にも関わらず、「バナナダイエットをしたのに失敗した→効果がない」となる。観察者バイアスの「期待している要素に注視するあまり、それ以外の要素を見落とす」という現象そのものだ。

今までにも「○○ダイエット」と、「○○」を食べてやせる手法は数多く紹介されてきた。ココアや納豆などなど。その度に成功者と失敗者が出て、真偽の程が論議される。多くの場合、「栄養学的に言うと大きな効果は期待できない」などというオチがついたりする。
今回のバナナがどのような結果になるかはわからないが、ダイエットには必ず「バイアス」が大きく作用することがわかる。要するに、「実践する人の総合的な心がけ次第」という、極めて当たり前な結論になるのだろう。

かく言う筆者も、健康診断で「メタボ予備軍」なる、不名誉な烙印を押されてしまった。ダイエットの必要に迫られている。「総合的に心がけをよく」してみようと思う。とはいえ一方で、バナナ好きとしては店頭に普通にバナナが戻ってきてくれることも願っている次第だ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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