いよいよ10月からアメリカで「T-Mobile G1」が発売される。あのGoogle Androidが搭載された近未来風ネーミングのケータイは、何をどう変えるのだろうか。
一方、「T-Mobile G1」は触ってみたいと思う。なぜか。キーボードがあるからだ。これが「T-Mobile G1」のSTPを考える上では決定的なポイントではないだろうか。
個人ユーザーのビジネスユースを狙うGoogle
「T-Mobile G1」のセグメンテーションは、モバイルマーケットの中でもビジネスユースだろう。ターゲットユーザーはビジネスパーソン、しかもPCでGoogleの各種サービスを使い倒すユーザー(たとえば野口悠紀雄教授のような人)である。従ってインプットデバイスの使い勝手が決定的に重要なポイントとなる。
その上でポジショニングは、あくまでも『アンドロイド』プロバイダーに徹すること、これだと思う。かつてマイクロソフトがPCのOSを一手に独占することで獲たポジションを、Googleはケータイ用OSを無償提供することで狙っている。その背景となるGoogleのビジョンには今後、間違いなく起こるはずのPCからケータイ(もしくはモバイルツール)シフトがあるはずだ。
中国では結局、固定電話が普及することなく、ケータイ電話が爆発的に広まった。この例にならうなら、今後の世界ではPCが普及することなくケータイ(orモバイルツール)がネット接続デバイスとしてデファクトになる可能性が高い。いくら5万円PCが出てきたからといっても絶対コストはケータイの方が低く抑えられるのだ。
そして世界中で「ネット接続はケータイから」が当たり前となったとき、そのOSを握るべく動いているのがGoogleなのではないだろうか。
勝ち馬に乗る動き
仮にGoogleがケータイOSのデファクトを取ってしまうとどうなるだろうか。PCのOSをマイクロソフトが握ることで、同社はどれほどのメリットを享受したか。さらにGoogleの場合はネット検索、検索広告でもほぼ独占的なポジションを確保しているのだ。Googleの優位性は恐ろしいばかりのものとなる可能性もあり得る。
こうした動きを見越してのことなのかどうかは不明だが、意外なぐらいのクィックレスポンスで『アンドロイド』用ソフトを公開した日本企業がある。大修館書店とソフト開発のイーストだ。両社はは『アンドロイド』上で動く辞書ソフト「デ辞蔵 for Android」評価版を無償公開した。
これはGoogleのケータイOSデファクト戦略にとって、確実に一つの追い風となる。ポイントはこうした動きが世界で、同時多発的に起こり始めるのかどうか。Google『アンドロイド』を巡る流れには注目が必要だろう。
そしてケータイ・ガラパゴスと揶揄される日本のケータイマーケットがどう動くのか、そこも注意してみておく必要があると思う。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26