ECM業界の主要プレーヤ達が共同で策定した新しい規格、Content Management Interoperability Service (CMIS)についての概要説明をしていきます
次に、「ECMベースアプリケーション」のカテゴリ。自動アーカイブ、ヴァーチャル(合成)文書、eディスカバリーの3つが提示されています。コンテンツと属性情報のハンドリングというECMの基本サービスを適切に組み合わせることで、個別に実現可能な機能ですが製品によって実現方法に差があったり、あるいは標準機能として提供されていなかったりする領域ですので、ECMベースのアプリケーションという切り口で整理するのは非常に理に適っているのではないかと思います。
最後に「スコープ外」と識別されたユースケース群ですが、レコードマネジメント、デジタルアセットマネジメント、Webコンテンツマネジメント、購読管理の4つです。非常に注目度が高い領域ではあるのですが、今回は直接のスコープからは外されています。上述2つのカテゴリに含まれていたユースケース群と比べると若干粒度が大きいソリューションレベルのアイテムが並んでいます。
また、実際に整備するAPIの範囲についても幾つかの領域をスコープ外にするという形で対象領域を定義づけています。具体的には、システム管理と設定、セキュリティ、認証、アクセス権、ローカライズ、5つがスコープ外となっています。これらの操作を行うためのメソッドというのは今回のバージョン0.5のAPIセットの中には含まれていません。複雑であり仕様策定が困難であったことはもちろんですが、やはり製品毎の差が大きすぎるということもこうした作業範囲の絞り込みが実施された背景にはあるのではないかと思います。
まとめますと、今回のスコープは、ECMの基本的なサービスを共通基盤上で提供していくということが大きな目的としてあり、実際に提供されるAPIはコンテンツやメタデータの物理的な操作に直結したものが中心である、ということになります。
次回は、リポジトリ、文書、フォルダ、関連、ポリシ、といったこの仕様上で識別されている各種モデルの詳細に入っていこうと思います。
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ようやく策定されたECMのための共通言語 CMIS
2009.06.15
2008.10.17
2008.09.26