現代版調達・購買ギルドの進化・構築を目指す筆者からのメッセージです。
先回、物を買うことの難しさについて話をしました。
それではこのような「難しい仕事」をやっている人たちの
モチベーションはどこにあるのでしょうか?
先日第16回の購買ネットワーク会が開催され、
60名弱のメンバーが参加しました。
今回のネットワーク会は毎回の午後開催ではなく、
午前10時~17時半までの拡大版での開催で、時間に余裕を持って
出席者間でのコミュニケーションを取る時間を作りました。
私もあるグループに参加して話をしましたが、
そのグループでは6名中3名が関西からの出席メンバーでした。
このように自分の貴重な休みの時間を潰し(土曜開催です)一日かけて、
出席してくれるメンバーの存在にも驚かされるのですが、
その場で議論したことはもっと興味深いものでした。
「結局我々は何を目指していけばよいのですかね?」
メンバーの一人がそう呟いたのがとても印象に残っています。
我々のグループには、私を含む3人が転職経験者で
他3人はある日本企業で入社時からほぼ購買一筋。
バイヤーの転職について話をしていました。
先ほどの発言はある大手日本企業から中堅企業への転職経験者の方の発言で、
購買だけでなく技術→購買という経験を持っていらっしゃる方です。
その方がおっしゃるに転職自体の抵抗感は少なくなってきたが、
じゃあバイヤーが企業経営者として抜擢されることは、まずない。
マネジメントの傍らとして調達責任者になることも難しいのでは?
ということでした。
本年度の購買部門アンケートの結果もそれを裏付けるものになっています。
調達責任者の代表的なプロファイルは
「50代、購買・調達部門の経験は5年未満の他部署からの異動者」です。
つまり落下傘なのです。
前にも書きましたが、バイヤー職のキャリアゴールがないのです。
前置きが長くなりましたが、
先般出版社の編集者さんと話をしていた時に、
「購買・調達職にキャリアゴールがないのが問題だ」という話を
私がしたところ、「それは設計者も同じ」という話を聞きました。
そう言えば多くの製造業の会社で技術者よりも
管理者出身の方がトップになる状況から考えても、その通りなのでしょう。
編集者さん曰く、
「こういう状況下で専門職者が向かう方向は二つだ」とのことでした。
一つは資格制度、二つ目は「ギルド」だと。
資格制度は設計者であれば技術士だと言います。
技術士という資格はあまり有名ではないが国家資格です。
ただ建築士のように業務資格になっていないため、
資格取得のメリットがあまりないようです。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。