魚が好きだ。飼うのも、釣るのも、食べるのも。 今回は「食べる」話。
魚の名前や姿を知る。捌き方や調理方法を学ぶ。味を覚える。とりもなおさず、これは民族としての「ナレッジの伝承」なのだ。組織において、ナレッジが伝承されないことは脆弱化が進むことを意味する。それは国や民族でも同じことなのだろう。
ナレッジの伝承は、まず、「見える化」することが大事なのだが、残念ながら味覚は完全には「見える化」できない。個人から個人へ伝承される「暗黙知」に近いものである。
だとすれば、その伝承者が最も重要であり、その要は「街の魚屋さん」だったりする。
2007年問題では、団塊世代の定年退職による社内のナレッジ喪失を回避しようと、各企業とも、定年延長や再雇用など、必死の対策を行った。
この<魚屋さん減少>に対しても、生活者の買い支えだけでなく、何らかのうち手が必要なのだと思う。
漁業の現場でも、燃料高で出漁の危機に瀕している。政府はようやく援助に乗り出すようだ。加えて、捕る現場だけでなく、食卓に届ける現場にも目を向けるべきだろう。無駄な税金を使うことには賛成しかねるが、せっかくの「水産白書」での地産地消の提唱を画に描いた餅にしないためにも、もっと知恵を使うべき時なのだ。
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2008.10.02
2008.10.06
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。