「トヨタ、マスメディア広告費3割カット」 こんな記事が飛び込んできました。 単なるメディアバイイングに大量の費用を投入する(投入せざるを得ない)寡占状態の代理店経由のマス広告のあり方には僕自身も大嫌いなのですが、この記事にはいろいろ複線もあるような気がしますね。
◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。
時事通信社の記事を引用します。
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トヨタ自動車が原材料価格高騰や北米市場低迷で収益が圧迫されていることを受け、2009年3月期(今期)に新聞やテレビなどのマスメディア向け広告・宣伝費を、前期比3割弱削減することが29日、明らかになった。同社は今期の連結営業利益を29.5%の大幅減益と予想しており、経費削減を一層推し進める。
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みなさんはどのように感じられましたか?
僕自身は瞬間的にはなかなか思いつかない背景、いろいろ裏にあってこそ、このような ニュースにつながった気がしました。
1.まず、マスメディアの単価そのものが下がっている
とある業界誌には「新聞広告出稿量」の各月調査結果(前年比)が出ています。
また別の、とある業界誌に「新聞広告料」の各月合計結果(前年比/全国紙・地方紙別)が出ています。
とある月。
「広告出稿量」が前年比90%台なのに、「広告料」が前年比70%台だったことがありました。
ウロ覚えですので、細かいことまではわかりませんが…2誌を見比べてぱっ!と
「広告単価自体がかなり下がっているのね」
そう感じたことだけは覚えています。
今回のトヨタの記事だけを見ると「減益分を広告費減で賄うなんて、なんて真摯な姿勢なんだ」と直感的に思う人のほうが多いでしょう。
誰だって製品の開発費そのものに費用をかけてくれた方が嬉しい、なんて思いますから。
※実際のところは「広告宣伝費をかけた分売上がかなり伸び、そこから製品の開発費に回せるお金が多くなったため、ユーザーにより多く還元できるものができた」ケースなんて多々あるんですけど、なかなかそうは思えないようですね、広告宣伝の実態を知らない人は。
「広告費減」は「出稿量減」と直結しません。
このことを弁えておく必要はありますね。
2.1をプレスリリースにうまく用いた
もし「広告出稿量」が3割減、とトップダウンで指示されるとと、社内の広告宣伝担当者、焦るなんてものじゃないです。
実際それくらい「3割」の出稿量減は、担当者にとって重大な変化をもたらすもので、「えーそんな…どうしよう…」とアタフタし、それまでの仕事に支障をきたす場合もあります。
ということは、きっと3割もの「出稿量」減はないと思っています。業務フローの変化が余計(短期的な)利益圧縮につながるような気がしますから。
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