五輪の星野ジャパンと WBCの王ジャパンは、何が違ったのか。 五輪惨敗への中傷が多い中、 少し冷静に敗因の本質に迫ってみたいっ。
「戦略」や「戦術」を疎かにしても勝てる「戦力」が、
星野ジャパンには、絶対的に足りなかったのだ。
しかし、いかにひとりひとりの力が弱くても、コンディションが悪くても・・・
「戦力」の総合力を上げる方法はある。
それは、「気力によるモチベーションの底上げ」である。
2006年のWBCの戦いにおいて、
チームリーダーであるイチローは、その戦いに挑むにあたって
「向こう30年は日本に手は出せないな、という感じで勝ちたいと思う」と言った。
さらに、韓国戦の苦杯の後に、
「野球人生でもっとも屈辱的な日」と悔しさを滲ませた。
WBCで我々が見た日本選手達の「スモールベースボール」は、
まさに、日本野球の凝縮であった。
そこには、技術論や戦術論を越えた、
大きな戦略テーマが選手個々人に浸透していたように見えた。
ホームインは、生還。
ホームアウトは、憤死。
ショートストップは、遊撃手。
アウトは、死ぬ。
セーフは、生きる。
日本人にとっての野球は、
グラウンドでやるものではなく、
戦場でやるものだったのだ。
王監督率いるWBCの日本野球には、凡戦がなかった。
リーダーであるイチローは、
プロ選手としてのプライドにもこだわらず、
「チームの形」にもこだわらず、
ただ、日本野球の歴史を背負い、
「あるべき日本野球の形」を追い求めた結果だ。
現在の野球に「生き」「死に」を持ち込むのは、時代遅れかもしれないが・・・
キューバや韓国の野球には、その面影が、まだある。
「チームの形」にこだわった星野ジャパンが、
そんなとこに勝てるわけがないっ。
長期的な戦いならまだしも、短期決戦では、その結果は見えている。
「戦力」を信じるなら、
「戦力のひとつひとつ」を無駄死にさせることのない
戦略や戦術を用意するのが指揮官だ。
「戦力」に劣勢を感じたら、
「チームの形」にこだわるより、
より高い次元の「あるべき日本野球の形」で引っ張るのがリーダーであるはずだ。
ダルビッシュとイチローを崇拝する川崎は、
予選のキューバ戦の敗戦後に、丸刈りにしたっ。
WBCで見えた「あるべき日本野球の形」へのこだわりだと信じたいっ。
来春のWBC、この2人が日本野球のリーダーになることを切に願うっ。
「スモールベースボール」を、単なる戦術論に納めることなく・・・
「日本の野球の生き様」だと言い切ることのできる監督を熱望するっ。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。