前年対比111%、売上高5,855億円。ユニクロが好調を続けている。その目標は2010年に1兆円企業となること。仮にそこまでの売上を達成すれば、ユニクロは完全に頭一つ抜けた企業となる。果たしてその可能性はあるのだろうか。
1兆円突破の確度は高い
ユニクロが目指しているのは、家電や乗用車メーカーに匹敵する企業だという。「一流メーカーの家電製品や乗用車は確実に去年よりも今年の方が使い勝手も機能も良くなっている。技術革新と消費者ニーズの徹底追及の結果だ(前掲紙)」。柳井社長の言葉通り、ユニクロはこうした企業と同じスタンスで商品開発とカイゼンに取り組んでいくのだろう。
なぜなら、日本をはじめとする成熟社会の消費者は、そうした商品をこそ求めているからだ。一方で、これまでの衣料品小売業で、そこまでしつこくカイゼンを突き詰めてきた企業が果たしてあっただろうか。だからこそ柳井社長は、ニーズと乖離しつつある衣料品小売業の終焉を宣言するのだろう。
そして、これからは少なくともコモディティファッションについては、日本ではユニクロが圧倒的なポジションを占めるつもりなのだ。仮にユニクロが、現状の年率110%ぐらいの伸び率を維持するとすれば、2010年は無理だとしても2013年には1兆円を突破する。
しかしユニクロを率いる柳井氏のビジョンは、そんな悠長なものではない。欧米でとアジアの二方面での積極的な出店戦略に加えて、大型のM&Aにも挑む姿勢が公表されている。しかも今のユニクロは、数年前に一度、沈んだ状態からの巻き返しでもある。同社の1兆円越えはまず間違いないし、それも意外に早い時期になる可能性がある。
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
このスローガンに込められた強烈なまでの自負心に満ちたユニクロの今後は、日本企業の進むべき道の一つを示してくれるのではないだろうか。
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