2008.08.04
今さらだけどペイパーポストに関して意見を整理してみた
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
「ペイパーポスト」とは、広告主がクチコミを広げたいネタを指定し、その情報を自分のブログに記事として書いたブロガーに200円や500円といった報酬が支払われるシステムのことを指す。 このペイパーポストについて、今さらではあるが、ブランディングとマーケティングの側面から考えをまとめてみた。
・ページランクがゼロになり途方に暮れるPayPerPostユーザーたち(TechCrunch Japanese)
・Google、ペイパーポストのリンクに対する見解表明 - Paid Postsに「NO」(Web担でも執筆いただいている渡辺隆広氏)
・多数のサイトでGoogleツールバーの表示ページランク表示が急落
・「有料リンクは是か非か」GoogleのMatt Cutts氏も盛り上がったSES San Jose 2007
※ただし、ペイパーポストによるプロモーションでリンクを得た広告主のサイト自体が検索エンジンからペナルティを受けることはない。
もちろん検索エンジンもすべてのペイパーポストのリンクをチェックして評価を下げることはできないし、Yahoo! JAPANが有料リンクを厳しく取り締まっているという話も聞かないので、リンクのSEO効果が出る可能性はある。しかし、その効果はいつ消えてもおかしくないものだと考えるべきだ。それでもSEO効果のためにペイパーポストを利用するのは、検索エンジンにケンカを売るようなものではないだろうか。
「偽」の仲間入りをしないために
ここまでで述べたことで、最初に提示した「ペイパーポストはクチコミを増やすサービスではない」「SEOのためにペイパーポストでリンクを増やそうとするべきではない」理由をおわかりいただけただろうか。
あえて言うならば、試供品・体験型のレビューによるもの以外のペイパーポストは、クチコミのための施策ではなく、単なる広告だと考えるべきものなのかもしれない。
ちなみに、クチコミではなく広告だと考えると、ペイパーポストの費用対効果はさほど悪くない。
いわゆる一般ブログの平均PV数は1日あたり300~500PVだと言われているので、ペイパーポスト記事が平均500回見られたとしよう。ブログ記事1件あたり400円のコストが広告主にかかるとすると、PV単価は0.8円。
他の広告と比較して考えてみよう。関東圏でテレビCMを放送した場合、1GRPあたり広告への接触回数が延べ40万回程度だと想定されるので、GRP単価10万円だとすると1接触あたりのコストは0.25円となる。ネット広告ならば、Yahoo! JAPANに出稿すると1インプレッションあたり0.2~3円程度だ(いずれも広告制作コストを除く)。
数十万円から利用できる広告商品としては、1インプレッション単価は悪くないだろう。ただし実際には、記事へのアクセスが数十PV程度しかないブログがあったり、ほとんどアクセスのないブログを1人で複数登録しているブロガーがいたりすることにより、ペイパーポストの広告の費用対効果は上記のものより下がる可能性がある。
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安田 英久
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