経営者・リーダーというのは、いろいろなことを言って社員に前を向かせて、組織を動かしていかなければなりません。 そんな時、よく見かける経営者・リーダーのスローガンは、「これからはマーケティングだ!」です・・・。
「マーケティングが大事なんだろう!」と幹部を叱責する経営者を私は何度も見たことがあります。そして、マーケティング力強化プロジェクト、と銘打った業務改革プロジェクトもたまにあります。
そのスローガンに対する具体的なアクションでよくあるお話しとしては、市場調査をやたらとするようになって、データが会社に溢れたりといったことがあります。
いや、溢れるならまだいいですが、マーケティングと名前のつく部門を作ってみたら、その部門のスタッフが自社の商品が売っている店舗に行って、アンケート調査をして、リーダーに報告してみたりします。
リーダーは頭を抱えます。「それでどうしろと言うんだ・・・」と。
もしくは、広告宣伝がマーケティングだ!と言って広告宣伝予算が増えたり、またある時は、いつもどおりの営業マンへのプレッシャーが「マーケティング力を強化するんだ!」という言葉とともにかけられたりもします。
マーケティングとは何でしょうか?「売れる仕組みを作る」と言う人もいます。
またある人は「集客」に集約して、マーケティングという言葉を使います。
またある人は、「商品を作り出すこと」をマーケティングと言ったりします。
私が一番汎用性があると思うマーケティングの定義は、米国マーケティング協会のものです。本質だけを取り出して翻訳すると、「持続的な交換活動を生み出すための総合的な活動」になります。
商売を交換活動として捉えるのがマーケティング概念の特徴です。靴屋さんであれば、自社の靴とお客さんのお金を交換していると捉えます。
こういった交換を生み出すためにやることは、何でしょう?新しい靴を考えることも必要ですし、どう作るのか?を考えることも、どう宣伝するかも重要です。そして、対面でどのようにオススメするのかというのも大事ですね。
商品を考えてお客さんに届けるまでの一連のプロセスが全てマーケティング活動なんですね。
そして、時代によっても大事なことは違います。
作れば売れる時代というのが、どの商品にもあります。
その時代は、ただ、ひたすら作り続けることがマーケティング活動において、一番重要です。それが一番儲かります。
ちょっと前までは、携帯をタダで配っていましたが、契約者数はうなぎのぼりに増えてましたよね。NTTドコモがどんどん成長していた頃です。
ただ、しばらくすると作るだけでは売れなくなります。そうすると、何か機能的に違ったものを商品に付加することで、売れるようになります。
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2008.08.17
2008.08.21
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。