2008.08.04
今さらだけどペイパーポストに関して意見を整理してみた
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
「ペイパーポスト」とは、広告主がクチコミを広げたいネタを指定し、その情報を自分のブログに記事として書いたブロガーに200円や500円といった報酬が支払われるシステムのことを指す。 このペイパーポストについて、今さらではあるが、ブランディングとマーケティングの側面から考えをまとめてみた。
ペイパーポスト=ブロガークチコミプロモーション
「ペイパーポスト」とは、広告主がクチコミを広げたいネタを指定し、その情報を自分のブログに記事として書いたブロガーに200円や500円といった報酬が支払われるシステムのことを指す。ブロガーが報酬を得るためには、指定された表現や特定のURLへのリンクをブログへに書く記事に含めることが求められる場合も多い。
ブログへの投稿(ポスト)ごとに支払われることから「ペイ・パー・ポスト(pay per post)」と呼ばれ、米国では2005年ごろから専門の事業者が現れている。ブログで小遣いかせぎをしたいブロガーを大勢抱え、広告主からの依頼に応じて登録ブロガーに案件を告知し、記事掲載の確認やブロガーへの支払いを行うサービスを提供している。そういった事業者は日本でも2006年~2007年ごろから出てきている。
ペイパーポストに関しては、Web担でもしっかりとした解説の記事を出している。
・ブロガープロモーション (ペイパーポスト) サービス利用ガイド――正しい使い方は? 選び方は?
先に結論を述べておくと、Web担としては、試供品の提供などによってブロガーの体験が伴わない限り、ペイパーポストのサービスは「クチコミを増やすサービス」ではないと考える。また、「安価にリンクを増やせるSEO施策」としてペイパーポストサービスを利用することはオススメしない。
その理由を、企業のマーケティング施策としての目的と、ペイパーポストの特性とを併せて説明していこう。
SEO? クチコミ? 企業は何のためにペイパーポストを利用するのか
そもそも、広告主は何のためにペイパーポストで出稿するのだろうか。おそらく以下の3つが考えられるだろう。
(1) サービス事業者が送る案件紹介のメールが読まれることによる、登録ブロガーに対する広告効果
(2) ペイパーポストで投稿されたブログ記事が読まれることによる、ブログの読者に対するクチコミ効果
(3) ペイパーポストで投稿されたブログ記事にリンクを含めさせることによる、SEO効果
それぞれについて考えてみよう。
(1) の広告効果を考えてみよう。ブログ記事1件たり200円の報酬で1000人に支払う案件の場合、広告主が支払う金額は、サービス事業者のマージンが100%だとすると40万円。それだけあれば、もっと良質なメールマガジンに広告が出せるはずだ。そもそも、この告知効果はペイパーポストの本質ではない。
次のページ(2) のクチコミ効果
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安田 英久
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