エンジニアとバイヤーは相反しているのか? 一番の問題はエンジニアとバイヤーを巡る多くの議論があくまでも「人」を基点とした議論であることです。
先日の購買ネットワーク会のテーマは「エンジニアVSバイヤー」でした。
毎年のアンケート結果のように多くの企業で開発購買の推進が
課題として取り上げられており、
開発購買が色々な企業でどのように進められているか?という討議が
行われると思っていましたが、そもそも論的な話に展開しました。
「設計と購買は何故相反しているのか?」
「いや、そんなことはない。そもそも開発購買という言葉自体違和感がある」
「購買って何?」
「設計は物を買う基本的なルールを知らない」等々
エンジニアは言います。
「購買って何をやっているの?専門性もなく向学心もない。
コストに関して細かくこうるさいが、コスト提案すら持ってこない。
でもAさんだけは信頼できる。彼は購買の中でも例外だな」
バイヤーは言います。
「エンジニアはコストの意識が全くない。
忙しいのはわかるけど、図面は納期通りでてこないし、
目標原価を達成していなくても殆ど気にしていない。
結局最後に尻拭いをするのは購買だ。
でもBさんだけは信頼できる。彼は本当に優秀なエンジニアだな」
そうなんです。エンジニアとバイヤーは相反すべきでないのです。
また相反しないことがお互いの職務なんです。
もっと言えば、やっている人はやっているのです。
(あるバイヤー曰く
「書いてしまうと当たり前」のことができるかどうか?とおっしゃっていました)
これはバイヤーだけでなくエンジニアも同じことが言えます。
つまり当たり前のことをやっている
「バイヤーAさん」と「エンジニアBさん」は相反どころか、
信頼関係の下、日々仕事をしているのです。
ここで一つ大きな疑問が生まれてきます。
エンジニアとバイヤーを巡る多くの議論があくまでも
「人」を基点とした議論であることです。
一番の問題はここにあるのかもしれません。
バイヤーがエンジニアにコスト削減提案やプレゼンを開発初期段階で行うこと、
これはある人にとってみれば当たり前のことですが、
同じ会社のあるバイヤーにとってみれば、そういうことすら思い付きもしない。
エンジニアにとってみれば、
あるエンジニアは積極的にバイヤーにコンタクトをとり、
よりコストの安い部品選定をしているが、
同じ会社のあるエンジニアは、直接サプライヤにコンタクトを取っている。
「縦割りの弊害」と一言で言ってしまえば簡単なのですが、
実は「仕事のやり方そのもの」の問題ではないでしょうか?
ISOや内部統制で業務マニュアルやフローはあります。
バイヤーはサプライヤ選定や部品発注の細かなプロシージャーを持っています。
エンジニアも同様で設計検討や出図の細かなプロシージャーはあります。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。