日本はマスマーケティングが効かない社会となりつつある。求められるのは「マス」から「One to One」への転換だ。そのためのCRMソリューション分野で高いシェアを誇り、業界を牽引するシナジーマーケティング社の極めて独創的なマーケティング戦略に迫る。
谷井社長の視線は、すでに次の展開と新たなエリアを見据えているようだ。次のターニングポイントで同社がどんな仕掛けを打ち出してくるのか。同社の戦略的な展開は、ニッチなマーケットを伸ばしていく一つのお手本となるだろう。
▲シェアの拡大に成功した要因の一つである、柔軟性とスピードを持つ統合型のSaaS形態でのサービス提供
~特集インタビュー「日本のCRM市場を牽引する、シナジーマーケティングの秘策」完~
『シナジーマーケティング株式会社関連リンク』
・シナジーマーケティング株式会社
http://www.synergy-marketing.co.jp/
・CRM・会員管理・総合顧客管理ソフト Synargy![シナジー!]
http://www.crmstyle.com/
・Webプロデュース
http://produce.synergy-marketing.co.jp/
【Insight's Analysis】
セオリーを熟知しているからこそ、あえてセオリーを破る。だから強烈な差別化になる。
ターゲットを設定しない。アウトバウンドの営業はやらない。そもそもあり得ない構造のデータベースを作る。
シナジーマーケティング成功の秘密は、表面的にはこの3点に集約される。その本質を掘り下げたときに見えてくるのは、セオリーを熟知した上で、セオリーにとらわれることなく顧客本意に考える柔軟な姿勢だ。
そもそも、谷井社長がお客様のことをよく知らなければならないことに気づいたのは、家業の洋品店を一時任された時のこと。自分の店の前にあった喫茶店の窓際の席に陣取り、店の前を通り過ぎる人を日夜チェックしたことがキッカケだ。そのときわかったのは、歩いている人と自店が狙っている顧客層の乖離だったという。だから品揃えにムダが多く、結果的に売れなかった。ところが店の前を通る人たちに合わせた品揃えに変えた途端に、これまでの不振がウソのように売れ始めたという。「汝、自らを知れ」といったのはソクラテスだが、商いに携わる者にとっては「汝、顧客を知れ」が鉄則だろう。
アウトバウンドの営業をしないにも関わらず、同社には毎月100件以上もの問い合わせが飛び込んでくる。その理由もおそらくは、顧客を知悉した上で組み立てられる緻密なプロモーションがあるからだ。もとよりターゲティングの重要性を否定するのではなく、自社にとっての「現在の」顧客を想定すること、その顧客に対する価値提供に集中すること。こうした姿勢こそが重要なのだ。
(インタビュー:竹林篤実/坂口健治 構成:竹林篤実)
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FMO第11弾【シナジーマーケティング株式会社】
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