ビジネスプロセスとは何か?

先日、ミーティングをしていました。いわゆるプロセス改善のお話しだったのですが、その中で、バリューチェーン、ビジネスシステム、ビジネスプロセス、業務プロセスなどの言葉が一緒くたに出てきました。みんな指すことを同じだと思いますが・・・。こういう言葉の定義はしっかりしておいたほうがいいなあ、と思いました。

 でも、なぜこんなに同じことを指すのにいろんな言葉があるのでしょう?

 それぞれの言葉の背景を見てみますと・・・

 ビジネスプロセスというと、やはりBPR、ビジネスプロセスリエンジニアリングを背景にしていますね。リエンジニアリングブームがだいぶ前、90年代に起きていますけど、顧客価値という視点よりは、コスト削減に重きが置かれている、しかもコストとプロフィットの関連はあまり重視されないという印象はあります。効率の向上と言いつつ、プロフィットがより出るようになるの?という問いには、いわゆるリストラを主要施策とした解を出すBPRもけっこうあるようにも思います。一気にプロフィットが湧き出しますけど・・・。効率というものの設定の仕方が、何に対する効率なのか?というところが難しいですね。

 バリューチェーンはMEポーター教授が提唱した概念ですね。各プロセスが顧客へ提供する価値を積み上げるための連鎖であるという概念です。プロセス毎に、顧客に与える価値の部分部分を作っていくという考え方ですね。プロセスごとに付加される価値が違うという付加価値概念的な側面が強調されますよね・・・。この概念の登場以降、何が現場で何が現場でないのか?ということがナンセンスになっているはずなのですが、未だに現場という概念が根強いです・・・。

 ビジネスシステムと言うと、いわゆる7Sを背景にした概念ですね。企業の全体像というか、設計図のようなものを考える時に、真ん中にシェアードバリュー、いわゆる価値観があって、ソフト的に、スタッフ、スキル、スタイルがあって、ハード的に、ストラテジー、ストラクチャー、ビジネスシステムがあって、というお話しがありますね。価値観とソフト的な部分はホメオスタシスが強烈に働くので、変えにくいという特徴を持つ、いわゆるソフトの4Sといわれます。ストラテジー、ビジネスストラクチャー、ビジネスシステムは、ソフトに合わせて変えて設計していくもの、ということで、ハードの3Sと言われます。
(勝間和代さんの【ビジネス頭を創るフレームワーク力】で組織の7Sとかいてあります。でも、ちょっと内容に間違いがあったように思いました・・・。ひょっとして私が間違ってる、と疑問に思いましたが・・・。みなさんも確認願います。)
 7S的に言うと、ストラテジー=戦略と、ストラクチャー=組織構造と違う論点で語られるべきという見え方ですね。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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