敢えて言います。私は「CIO主導の業務改善」というのも、「現場主導の業務改善」というのも、どちらもイデオロギー的な気がして、嫌いです。イデオロギーはどうでもいいから、業務効率を最適化して、よりキャッシュが残るようにするだけだと思うのです。
この10年ぐらいでしょうか?CIOという概念がだいぶ浸透してきました。
「CIOをサポートする」というコンサルティング会社も増えましたね。
確か、2000年前後だったと思いますが、ある大手広告代理店では、システム管掌役員は相当無視されていました。各部門がシステム部門への相談無く外注にシステム案件を発注したり、というのは日常茶飯事でした。
システム管掌役員のプレゼンスは低かったですね。
当時、大企業のERP導入はほぼ失敗でしたね。SAPのディレクターをやっていたERPコンサルタントの方が、
「これから、入れなおしの第二次導入がはじまります!」というプレゼンテーションしているのを聞いて、トホホホホ、と思いました・・・。なんと無責任な、と・・・。あなたも入れたんでしょ、と・・・。
あと、ある通信機器の大手メーカーで、系列の開発したSCAWを入れようとして大失敗した役員が、その責任でクビになりました・・・。これも2000年ぐらいだったでしょうか・・・。
というか、この時期から、ずっと生き残っているシステム担当役員はいるんでしょうか?
あまりに多くのプロジェクトが失敗しているので、システム構築ノウハウは本当に積み重なっているのか、私は相当疑問です。確かに、基幹系のシステムは少しは動くようになったみたいですけど。
にもかかわらず、企業は高いお金を支払って情報システムを入れようとする。情報システムは企業経営に必須なのです!どんなに失敗しても、入れるんです!ということでしょうか?
これも、ちょうど2000年前後だったでしょうか?マッキンゼーからユニクロに行かれた堂前氏が、「CIOは業務改革リーダー」という概念提唱をされはじめました。
確か、「ITの本質」という書籍が出ていましたが、その辺りのことが書いてあったと思います。
情報システム担当役員にとっては、朗報だったか、耳が痛かったか。
ITをテコにした業務改革というのは、1つの有効な考え方だとは思います。全体の業務デザインの考え方のパラダイムシフトをしたい場合に、有り得るとは思います。
それと、業務改革とシステム導入をワンセットにできるのは、システムコンサルティング会社にとっては都合のいいお話しですね。自分に仕事をくれる人々の権限拡大は望ましいですね。
業務モデリングのスキルと、業務改革のスキルは確かにかぶる部分もなくはないとは思いますから。
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ビジネスシステム
2009.11.29
2008.07.18
2008.03.21
2008.02.18
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。