2-3週間前ですが、「ガイアの夜明け」に、 ヨーロッパの携帯電話メーカーに対して、 日本で流行しているようなカラフルな塗料を採用してもらおうと がんばっている日本の塗料会社が登場してましたね。
ヨーロッパでは、いまだビジネスツールとしてのイメージ(常識)
が強いせいか、携帯の色はほとんど黒だけというのが現状です。
このため、ヨーロッパ進出のために設立された上記塗料会社の
ヨーロッパ現地法人の担当者(日本人のようでした)は、
日本から持ち込んだパステル調の色見本を見て、
「子供っぽい。こんな色はヨーロッパでは受け入れられない」
と、ばっさり切り捨てていました。
ところが、日本側の担当者が、
道行く消費者に直接聞いてみると反応は悪くありません。
ヨーロッパの携帯電話ユーザーは、
「携帯電話は、黒でなければならない」
と、強く思い込んでいるわけではなさそうでした。
実際、ヨーロッパの携帯電話メーカーに提案したところ、
先方は、これまでにない明るい色に興味を示していました。
提案したカラフルな塗料の採用が本決まりになったかどうかは
番組では報道されませんでしたが、ひょっとしたら、
ヨーロッパの携帯電話も、これからさまざまな色の製品が増えて
くるかもしれませんね。
さて、このケース、現地法人の担当者は、明らかに、
今のヨーロッパ携帯電話業界の「常識」に縛られていますね。
ヨーロッパで黒のケータイしか売れないのは、
そもそも、それ以外の色の選択肢を提示されていないからです。
ユーザーも、黒以外の選択肢が示されていないために、
他のカラーバリエーションに対するニーズが顕在化していない。
だから
「黒以外の色のケータイが欲しい」
というニーズがメーカーに届くこともなく、これまでずっと
黒ばかりが作り続けられてきたのかも知れません。
新規市場開拓に取り組む現地法人の担当者が、
こうした可能性に目を向けることなく、
「今までがこうだったからも、これからも変わらない」
といった硬直的な思考しかできないのはまずいですよね。
常識の壁を打ち破るためには、まず
「過去」(の考え方、やり方、トレンド、パターン)
を意識的に消し去ることが必要です。
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2007.06.08
2007.08.29
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。