以前も何度か書きましたが、 売れる商品の「基本原則」はつぎの2つです。 ・見た目が良さそうに見えること(端的には「デザイン」) ・中味も実際良いこと(端的には「機能・性能・品質」) つまり、外見と中味が一致していることが大事。
見た目はいいのに、中味がひどい商品、
これはほとんどサギ。顧客は2度と買ってくれないでしょう。
逆に、中味はすばらしいのに、外見がしょぼい。
これだと、潜在顧客はそもそも手にも取らない・・・
素通りされてしまう商品になります。
昨日書いた小林製薬の場合、
同社商品が持つ優れた機能・性能・品質という「中味」を
インパクト重視のネーミングとパッケージデザインで
的確に「見せる」ことで成功を収めています。
つまり、外見と中味のバランスの重要性を十分に理解している
会社と言えるわけですね。
しかし、上記の2つの基本原則を認識していない会社の方が
よほど多いように思います。
たとえば、青森の大手豆腐メーカー、太子食品工業。
同社は最近、新しい豆腐の開発に成功しました。
(「ガイアの夜明け」から)
この豆腐は、中国原産の緑大豆を使用。
爽やかな印象を与える淡い緑色をしていて、
白い豆腐に見慣れた私たちにはとても新鮮に写ります。
また、緑黄色野菜に含まれるベータカロテンが
含まれているため、野菜のような豆腐だと言えます。
革新の少ない豆腐商品において、この「緑豆腐」は
とても魅力的です。
ヒットする可能性大の有望商品だと思います。
しかし、肝心の「見た目」に失敗してるんですね。
まず、パッケージを半透明にしたため、
この豆腐の最大の魅力である「緑色」が見えなくなっています。
この問題は、製品を見たスーパーのバイヤーから指摘されて
いましたが、同社の関係者は、なぜもっと早く気づかなかった
のでしょうか?
また、パッケージのデザインには、
江戸時代の火消しを描いた浮世絵を採用。
ネーミングは、「伊達くらべ」としています。
うーん、よくわかりません。
なぜ、浮世絵?、なぜ「伊達くらべ」?
中味と外見がまったく整合していないですね。
結果的に、付加価値をつけて価格競争を回避しようとした
新商品であったにもかかわらず、
「味はいいけど、パッケージがこれじゃあね。
特売しないと売れないよ」
と、スーパーのバイヤーからは一刀両断。
大変残念なことです。
さて、こうやって後からいろいろケチをつけるのは
ずいぶん身勝手だとは思いつつも、あえて太子食品さんに
アドバイスさせていただきます。
開発途中で、バイヤーやエンドユーザーの意見を聞き、
反応を確認しながら進めたらどうでしょうか。
(たぶん、今回はやってませんよね)
いわゆる、「マーケティング・リサーチ」を
やりましょうということですが、必ずしも、
大金を投じる必要はありません。
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2007.07.24
2007.09.22
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。