今回は、新規事業や新商品を作り出し、市場へ投入していくことを考えていく際に、非常に有用となるバリューデリバリーシステムのフレームワークに関して、成り立ちと考え方、使い方を解説していきます。言うのを忘れていましたが、フィリップコトラー教授の提唱しているフレームワークですね。
この3つの作業は、ターゲットから、コンセプト、差別化のポイント、というふうに流して考えることもできますが、同時並行的に考えることもできます。
さて、1通り、価値の選択について説明しましたが、まだ、説明がいります。この流れを知っていても、新商品は作れません。
インサイトの説明をしていません。そう、このサイトの名前である、「インサイトナウ!」の由来でもある、インサイトの説明です。
ターゲットは心の底では、こういう感情を抱いているのではないか?という、ある意味、検証の難しい仮説をベースにコンセプトは作られます。
例えば、有名なお話しですが、「R25」を作った時のインサイトは、「若い男のヒトは、日経新聞なんて読んでないけど、みんな読んでるっていいたいんじゃないの?」というものでした。
いわゆる、「M1層への4マスの訴求力が弱くなっている」(20歳から34歳の男の人への、テレビ、新聞、雑誌、ラジオの訴求力が弱まっているということですね。)
その4マスをフリーペーパーで取りにいけるのでは?
小規模フリーペーパーは価格競争過多で頭打ちだけど、全国的なフリーペーパーはいけるのでは?
リクルートの強みも活きるだろうし!
・・・という仮説がありました。
その時に、「じゃあ、どんなフリーペーパーならいいの?」という論点への解がなかなか得られなかったそうです。
ただ、テレビを見ない、新聞を読まない若者を集めてグルインしていたら、あれ、この人たち新聞読まないヒトなのに、読んでるって言ってない?しかも日経新聞読んでますとか言ってない?
ひょっとして、みんな日経新聞読んでないけど、カッコつけたいんじゃない?
というような検証を重ねたそうです。そして、あのちょっと賢くなれそうな、いわゆる社会人思春期?の若者に捧ぐというようなコンセプトができたそうですね。
インサイトというのは、まあ、いわゆる「隠されたホンネ」ですよね。それを突いていないといいコンセプトはできないんです。しっかりとした価値の選択を行うには、ターゲットに対する画期的なインサイトが必要なんですね。
と、これで、価値の選択の説明が長かったのですが、終わりました。「ターゲット」、「自社が提供する価値」、「競合との差別化のポイント」ですね。
さて、ここであることに気が付きませんか?
ターゲット、自社が提供する価値、競合との差別化のポイント・・・。
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バリューデリバリーシステム
2009.03.10
2009.03.02
2009.02.01
2008.06.21
2008.06.19
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。