環境CSRを訴求する前に店員教育を~ヤマダ電機の事例より~

2008.06.02

経営・マネジメント

環境CSRを訴求する前に店員教育を~ヤマダ電機の事例より~

寺西 隆行
(株)Z会

東証でも「環境」株価指数の算出の方向性があるなど、温暖化への問題意識から、ビジネスシーンの中での「環境」の扱われ方が、ここ1・2年でそれ以前よりもかなり高まってきたような感を受けます。 環境への知識・意識・行動の変化を大学時代からずっと眺め続け、そして「自分のとる道」として教育を選んだ1人の人間として、環境CSRを訴えるヤマダ電機、その店員に見た行動を題材に、想いをー

◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

家電を買いにヤマダ電機へ行きました。
ヤマダ電機のホームページ
http://www.yamada-denki.jp/
を開くと

「ヤマダ電機は環境問題への取り組みを積極的に進めています!」

という文字が飛び込んできます。

余り、というか、ほとんどTVを見ない僕でも、昨日、高島政伸さんが上記のコトバを語る、環境対応を意識したCSRを伝えるCMを拝見しました。
オリコミチラシなんかでもすごいですね、環境CSRの訴求が。

そして、今日の店内でも、いたるところに

「ヤマダ電機は環境問題への取り組みを積極的に進めています!」

◆◆◆

デジカメのピクチャーカードを購入。
何も聞かれずにビニール袋に入れられて出てきました。
「あっ、ビニール袋、結構ですから」
と僕から伝え、さささっと袋から出します。

店員。
「あっ、そうですか」

ビニール袋、後ろのゴミ箱へポイッ。

◆◆◆

実は先月同じ店舗へうかがったときも、全く別の店員に同じ行動をとられました。
これじゃ、環境CSRをうたわれても、何の説得力も感じません。

組織単位で環境問題に取り組むーつまり、省エネ家電を積極的に販売する(など)ということと、そこで働く1人1人の意識・行動の中で環境問題に配慮した姿勢を見せることは、理想は同じであってほしいですが、現実的に異なることが多々ありますので、このことですぐさま「ヤマダ電機の環境CSRなんて見せ掛けだ!」と言うつもりはありません。

ただ、大学時代に環境工学を専攻し、環境問題を突き詰めて突き詰め…そして

「環境問題を解決するのに一番大事なのは何か」

の結論として

「一人ひとりの意識が変わること」

にたどりつき、商売としても「教育」へ傾いた僕の気持ちとして、真剣に環境に対する好意的行動をとっている、と主張するのであれば、やはり社員の意識改革をやってからコマーシャルなどの訴求へと入って欲しいな、と思います。

そして、店員にそんな行動をとる人がいるのであれば、「ヤマダ電機の環境CSRなんて見せ掛けだ!」という主張を(これ自体は短絡的な主張だと思うんですけど、それはそれとして)甘んじて受け、改善につなげる企業姿勢こそが環境CSRです。

さらに、一概には言えませんが…

このような社員の意識と行動がある中、環境CSRばかり「マス媒体」で訴える企業は、環境を商売のダシに使っているところが決して少なくないと感じています。

となれば、「環境CSRをしっかり果たしている」企業が「タマタマ社員で環境意識の低い人がいて、その行動をお客様に見せてしまった」というほんの小さな1つの出来事で、「環境への意識が低い」と思う対象が、「企業」なのか「(その)社員」なのか、受け止め方が変わってきます。

環境CSRが商売のダシ、と思われないためにも、まずは徹底的な店員の意識改革からはじめて欲しいものです。

環境を語るには、そしてそれが企業単位ともなれば、ノブレス・オブリージュが必要だと思うんですよね。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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