化粧品クチコミサイトといえば@cosme(アットコスメ)。月間ページビュー数は2億PVに達し、これまでに集まったクチコミ総数は実に600万近く。寄せられる生の声は1日あたり3,000件を超え、20代~30代をメインに、美容に関心のある女性から圧倒的な支持を集めるモンスターサイトである。今年に入りヤフー、講談社と相次いで業務提携し、新たなステージを目指す同社のこれまでとこれからを聞いた。
■クチコミはストックデータになる
30億円の対価を引っ張り出すために提供する価値はデータベースである。そう考えた瞬間に@cosmeの原型が頭の中にできたという。
「それが99年のゴールデンウィークかな。連休中にビジネスモデルを組み立てて、一気に事業計画書を書き上げました。ポイントはクチコミを“データ”と考えて、それを我々が提供する価値と置くこと。するとクチコミの集め方、データベースの作り方、データのまとめ方、収益化のプロセスなどビジネスモデルが全部見えてきました」
計画書を仕上げた吉松氏は早速動く。化粧品と同じく再販制度に守られているのは書籍だ。そして書籍といえば、当時まだ日本には入っていなかったがアマゾンがある。
「直感的にアマゾンのシステムが使えるはずだって思いました。それで日本でアマゾンの権利を持っていた代理人の方にお願いに行ったんです」
残念ながら当時のアマゾンはまだ日本での展開を決めていなかった。ただ吉松氏のモデルを興味深いとみた代理人は、氏にあるファンドを紹介する。そこから最初の調達を得たのが2000年だった。
「アマゾンのシステムは相当研究していましたから、これを使えば化粧品のクチコミデータベースができると思ったんです。ともかく自分の考えたビジネスモデルがいけるという確信は固まりましたね。要は化粧品のユーザーデータを一元化して持つことなんです。これがポイント、我々のスタートであり、そしてずっと変わらず続けてきていることでもある。振りかえってみると10年近くやってきて、ほとんど進化してないのではって気もするんですけれど」
クチコミをユーザーデータとして捉える。そしてメーカー横断的なクチコミすなわちユーザーデータのデータベースを作る。そこにたまって行くデータを価値化して、メーカーに提供する。これが@cosmeのビジネスモデルである。
とはいえ、ここで一つ疑問が出てくる。クチコミがデータになるのはわかるとして、では、そのクチコミ自体はどうやって集めるのだろうか。その答はクチコミに対する吉松氏の意外な捉え方にあった。
▲インタビュー風景(左から坂口、吉松氏、竹林氏)
⇒次回「量より質」へ続く(全四回)
『株式会社アイスタイル関連リンク』
・株式会社アイスタイル
http://www.istyle.co.jp/
・みんなのクチコミサイト@cosme
http://www.cosme.net/
・みんなのクチコミサイト@cosmeの姉妹版 化粧品ショッピングサイト cosme.com(コスメ・コム)
http://www.cosme.com/top/index.html
・化粧品レビュー情報(クチコミデータ)を閲覧・集計できる有料データサービス @cosme PRO
http://www.cosmepro.jp/asp/gw/011_01.asp
(インタビュー:竹林篤実/坂口健治 構成:竹林篤実)
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