長年調達購買機能の主要機能であると考えられていた「相見積り」と「価格査定」業務が、昨今の事業環境変化やデータの不整備によって限界があることが分かってきました。 そして、期間での買い物に対する機能として、新たな横串機能での機能、役割が求められるようになっています。 今回はこの変化や新しい主要機能について、説明していきます。
単純な複数サプライヤの比較であったとしても、「相見積り」は従来、購買手法として有効なものであることは確かでした。なぜなら、本質的な目的としては、見積りを比較することだけでなく、能力を持った新しいサプライヤを見つけてくることだからです。それができれば、「相見積り」は手法や手段ではなく、本来の目的である適切な買い物の実現につながります。
しかし昨今、事業環境が変化し、特に日本企業にとって、サプライヤ優位の時代は続いています。供給力・能力不足の調達クライシスの時代です。そもそもそんなサプライヤを、新しく見つけること自体が難しく、見つかったとしても、そのサプライヤが「その会社と取引したい」というニーズがないことも珍しくありません。
そういう環境下であれば、無理に相見積りを取る必要はないのではないでしょうか。例え、1社見積りであっても、その妥当性――価格だけでなく、品質・納期・その他の条件を満たし、無理も無駄もないコストになっているか――を証明できればよいはずです。この「証明」こそが、購買部門の責務と言えます。
価格妥当性の証明ですが、これは価格査定と呼ばれる手法です。価格査定とは、原価を積み上げて妥当性を検証する行為ですが、何らかの形で、原価構造を比較することが基本です。本来全ての購入品に対して、価格妥当性のチェックは行うべきですが、実際には、査定のための原価データの蓄積や、比較対象となる類似品目・市況データが揃っていないことも多く、その場合は査定のしようがありません。価格査定の大きな課題はこのような構造的なデータ不足です。
相見積りは、価格妥当性の比較対象を複数社のコスト構造で比較する手法と言えます。いわばセカンドオピニオンのようなものです。しかし、現状の事業環境を考えると、相見積りには限界があります。また、価格妥当性の評価についても「本来は全品目でやるべきだが、データがなく、一部でしか代替できない」ことであり、どちらも調達購買業務の主業務とされてきましたが、それも限界があることがわかります。
それぞれの手法の限界について述べてきましたが、ここで視点を変えてみましょう。
相見積りも価格査定も、「個別の買い物(1回の発注・1つの品目)」を単位とした発想です。1回の取引の妥当性を、その都度・その品目ごとに証明しようとするのが目的です。これを「継続的な(期間での)買い物」という見方に替えると景色が変わります。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。
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