近年の原材料市況の高騰など、企業の購買部門はコスト上昇の対応に追いまくられております。 このような環境下、バイヤーの果たすべき役割も変わってきています。
昨年の調達・購買部門調査
(http://www.agile-associates.com/2007/09/2007_1.html)でも
「コスト削減よりもコスト上昇」しているという企業が
全体の約4割を占めているなどの結果がでており、
近年の企業、中でも調達・購買部門はより苦しい環境下で
日々業務を遂行していることが指摘できます。
考えてみると、戦後~1990年代までの日本経済は
インフレを伴った経済成長、つまり右肩上がりの構造でしたが、
バブル崩壊以降2000年代初頭までは、円高&成長なきデフレ構造でした。
企業も社会一般もこのような、昨今のコスト上昇に対する免疫ができておらず、
右往左往しているのが実態ではないでしょうか。
このような環境下、
調達・購買部門の役割は以前にも増して重要視されるとともに、
難易度が上がっています。
以前のように“簡単な交渉や競合させる”と言った
単純なコスト改善では限界が来ているからです。
私は以前「トータルコストの最適化」を図ることで
相対的なコスト削減を推進すべきであると述べましたが、
その一つとして資産や資源の再利用が上げられます。
4/19日の日経夕刊一面に
「外食各社に再利用拡大-コスト削減効果も-」という記事がでていました。
この記事の抜粋です。
「外食企業の間で食品リサイクルへの取り組みが広がっている。
Sは廃油をトラック用の燃料として再利用する。
Dはコーヒーかすをバイオ燃料にする実験を始めた。
・・・食品リサイクルが軌道に乗ればコスト削減効果が見込め、
サービス向上につながる期待もある。・・・」
元々、環境対策はどちらかというとコストアップにつながるが、
企業の社会的責任として進めなければならない、
ということから始まっています。
しかし、最近ではこの記事で取り上げられるように、
「無駄を無くす=トータルコストの削減」につなげていく、という
前向きな取り組みが積極化されていることが推察されます。
以前私は自動車会社で
環境関連のビジネスに関する調査をやっていたことがあり、
その時に廃車スクラップ工場や
プラスチックリサイクル工場を見る機会がありました。
このようなリサイクル工場を見られたことがある方は
理解できると思いますが、通常の工場と変わらない多大な設備産業です。
廃車スクラップ工場などは、ラインが設置され、
一連の流れの中で鉄、アルミ、貴金属を分別回収し、
それを再利用可能な形に加工し、再出荷していきます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。