クライアントのトップライン(売上)を上げるために、一緒になってそのチャンスを取りに行く伴走型のコンサルティングを行うためには、コンサルタントとして外部環境を正しく分析し、「この危機をどう捉え、どう行動するべきか」を自分の言葉で伝えることが必要となります。 ただし、どれほど優れた戦略があっても、それを動かすのは人の意志です。私がこれまで多くの企業に向き合ってきて実感しているのは、最終的な差をつくるのは「人間力」だということです。
時代がコネクティブになっていくほど、ビジネスに影響を与えるコンピテンシーにおいて必要になるのは、心理学と人間関係だと私は思っています。どれだけテクノロジーが進んでも、最後に意思決定をするのは人間であり、人の心を動かすのはやはり人だからです。コネクティブなパワーこそが人間力で、人間力が高い人は自然体のままで勝負ができます。自然体で挑戦し続けて、大きな失敗も厭いません。大きな失敗をするのは、能力が高い証拠です。能力の低い人はそもそも大きなチャレンジの場に立たない、だから失敗もしないのです。
人間力は「本質を見抜き、時代を読む力」
本来コンサルタントに求められるのは、これからの時代がどの企業を選ぶのかを見極める感覚です。向こう5年、10年で求められる経営の要点を見通す力が必要なのです。
また、企業のパフォーマンスは「戦略×遂行」で決まります。どれだけ戦略が優れていても、実行する人材が整っていなければ成果にはつながらない。逆もまた然りです。私が幹部人材や営業フロントを育て続けてきてわかったことは、企業も個人も、自分ひとりでは自分の解像度を上げられないということです。コンサルタントが伴走することで、「本当の強みはどこか」「どこを変えればもっと上手にマーケットをつかめるのか」といった、その会社の実態価値が鮮明に見えてきます。
そして、会社の本質的な実力と時代が求めていることとのギャップが大きい場合には、そのギャップを直視し、組織の力をもう一度組み直す勇気が求められます。小手先ではなく、本質からやり直す判断ができること。それもまた、人間力の重要な一部だと私は考えています。
人としてどこを向いているかも大切なことです。コンサルタントに求められるのは、「自分が大切にされたい人」ではなく「周囲の人を大切にできる人」です。矢印が相手を向いていることが必須ですし、人を大切にするためにはスキルや能力も欠かせません。自分がいっぱいいっぱいなときに隣の人を助けることはできませんし、高いスキルがなければ難しい案件に取り組んでいるメンバーを支援することもできないでしょう。人間力の高い人は、「相手の状況を考え、相手にとって何がベストかを考えて行動できる人」と言えるかもしれません。
竹の節を越える力が人間力をつくる
どんな仕事にも不遇の時代があり、私はそれを竹の節のようなものだと考えています。節の部分では成長が止まるように見えますが、腐らずに続けていると、その先で一気に伸びる瞬間が必ずやってきます。表舞台では順風満帆に見えても、水面下では数え切れないほどの節をくぐり抜けている。挑戦を続けた人だけがある瞬間にズドンと突き抜けるのです。この「節を越える力」が人間力の本質だと思います。けっきょく、価値を生み出すのは人であり、挑戦する心なのです。
コンサルタントの矜持
2025.12.16
2026.01.13
2026.01.16
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。
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