ビジネスパーソンとしての実行力(2) 「モチベーションが持続しないから成果が上がらない」は大きな誤解

2025.10.16

経営・マネジメント

ビジネスパーソンとしての実行力(2) 「モチベーションが持続しないから成果が上がらない」は大きな誤解

村上 和德
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長

「モチベーションが持続しません。どうしたらいいですか?」という相談を受けることがあります。かつては真剣に答えていましたが、次第に違和感を抱くようになり、今では結果を出すためにモチベーションは必要ないと考えています。 「モチベーションがあるから成果が出る。モチベーションがないから成果が出ない」 営業の世界ではしばしば語られる話ですが、これは大きな誤解です。プロフェッショナルは生きがいとして仕事と向き合い、成果を出す人はモチベーションに頼っていません。

三日坊主でいい。行動の総和が人格をつくる

「モチベーションが持続しません。どうしたらいいですか?」という相談を受けることがあります。かつては真剣に答えていましたが、次第に違和感を抱くようになり、今では結果を出すためにモチベーションは必要ないと考えています。

「モチベーションがあるから成果が出る。モチベーションがないから成果が出ない」

営業の世界ではしばしば語られる話ですが、これは大きな誤解です。プロフェッショナルは生きがいとして仕事と向き合い、成果を出す人はモチベーションに頼っていません。

「モチベーションが持続しないから成果が上がらない」は大きな誤解です。歯を磨くのにモチベーションは必要ありません。下着を着るのに「今日は気分が乗らないからやめておこう」と思う人はいないでしょう。心臓外科医が「今日はモチベーションが上がらないから、手術はやらないでおこう」などと言うことはあり得ません。イチロー選手が「今日はモチベーションが上がらないから練習をいつもの半分で切り上げよう」と考えることもなかったはずです。モチベーションの有無にかかわらず、成果を出す人は出す。成果を生むために必要なのは、具体的な行動、つまり実行力なのです。

大切なのは、行動し続けることです。行動が習慣になれば、モチベーションとは無関係に実行できるようになります。私は「三日坊主でいい」とよく言うのですが、3日でいいやと思って行動し、とにかく三日坊主を続けていく。それを繰り返すうちに習慣となっていきます。人間を形成する上で大事なのは行動です。そして、行動の総和が人格になります。ハイパーウォーマー人材になりたいのであれば、自分にとっての良き行動習慣を見つけ出し、それで人生を固め抜くことです。これこそが、やる気やモチベーションに依存しない、真の実行力なのです。

成果にはモチベーションが不可欠と考える人の理論は、モチベーションがあればプラス思考になり、プラス思考で考えて行動するから成果が上がるというものです。しかし、成果を上げるための入口には、プラス思考もモチベーションも必要ありません。

やる気はあるのに成果が出ない

私はこれまで数えきれないほどの営業を見てきました。成績トップの営業と数年にわたり成績が振るわない営業を比べて分析したこともあるのですが、実際のところ、営業成績の悪い営業のほうがモチベーションは高い場合が少なくありません。むしろやる気だけはあって、営業意欲や情熱は人一倍あるのに、行動が空回りしてしまってローパフォーマーに陥ってしまう。研修講師としても、そのような営業をたくさん預かってきました。

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村上 和德

ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長

1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。

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