チームメンバー同士が手をつなぎ、信頼の絆でつながっている状態をつくることが、リーダーの大切な役割であり、チームの目標を達成するために必要なことです。こうした状態ができあがれば、リーダーが不在の時にも、メンバー一人ひとりが明確な職責と使命感を持って、頼るべきときには仲間を頼り、踏ん張るときには自らの責任感の下に仕事を進めていくチームになります。そのようなチームビルドこそがサーバント・リーダーシップの目的です。 つまり、リーダーの究極の目的は、リーダーがいなくても、問題なく回る組織をつくることです。そのためには何が必要かについて考えてみます。
チームメンバー同士が手をつなぎ、信頼の絆でつながっている状態をつくることが、リーダーの大切な役割であり、チームの目標を達成するために必要なことです。こうした状態ができあがれば、リーダーが不在の時にも、メンバー一人ひとりが明確な職責と使命感を持って、頼るべきときには仲間を頼り、踏ん張るときには自らの責任感の下に仕事を進めていくチームになります。そのようなチームビルドこそがサーバント・リーダーシップの目的です。
つまり、リーダーの究極の目的は、リーダーがいなくても、問題なく回る組織をつくることです。そのためには何が必要かについて考えてみます。
自分がいなくても回る会社をつくる
会社組織には、大きく2つのスタイルがあります。ひとつは、全社員が経営者を頼りにして、経営者のコントロールの下で動く会社組織。もうひとつは、経営者がいちいち指図しなくても仕事を回していける会社組織です。
経営者がいないと仕事が回らない会社は、属人的経営に陥っており、経営者の個人的力量以上の仕事ができません。このような組織は、往々にして、社員は経営者の顔色を見て動くようになってしまい、組織としての力を発揮することができなくなってしまいます。将として恥ずべきは、自分がいないと回らない会社を作ってしまうことです。
属人的経営の下では、組織内の仕組みも属人的になりがちです。例えば、会社の業績の悪さを一個人の責任にしてしまいます。全体の業績が悪いときでも成果を出す人は出すため、それを理由に、成績の悪い人に責任を押しつけてしまうのです。本来見直すべきは会社全体の仕組みや戦略であるはずなのに、できない人にすべての責任を押しつけ、「お前がチームマインドを冷やしている」「モチベーションが足りない」と名指しでレッテルを貼って済ませてしまう。これでは社員は育ちません。一部の成績の良い社員が会社を去ってしまえば、途端に会社は傾くことになります。
さらに問題なのは、経営者自身が「今日の仕事」に追われ続けてしまうことです。あらゆる判断を経営者が下さねばならず、そうしないと部下は動けません。それでは、「未来への投資」はおろか「カイゼン」のために使う時間すらなくなってしまいます。
チームワークに気を配れ
リーダーシップについて学び、勉強熱心なリーダーでも陥ってしまう罠があります。特に、リーダーシップ論を学んだばかりのリーダーは、とかく「相手と自分との関係性」ばかりに気を取られがちです。一般的なサーバント・リーダーシップ論でも、部下一人ひとりに対してサーバントしていくとされています。しかし、真に目指すべきは、リーダーの不在時でもパフォーマンスが上がるチームです。そのためには、チームワークにつねに気を配って率いていかないといけません。自分がいれば指示できますが、不在時に指示なしでパフォーマンスを上げるためには、皆がMVV(ミッション・バリュー・ビジョン)を共有し、仲間同士が手をつないで、ひとつのベクトルに向いていることが何より大事です。
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2009.02.10
2015.01.26
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。
