ビジネスの世界では「レバレッジ効果」という概念があります。レバレッジ効果とは、金融商品でもよく使われる言葉ですが、「テコの原理」のことです。つまり、小さい力で大きな効果をもたらすという意味で、時間管理に置きかえると「少ない時間でより大きな成果を出し、さらに有効な時間の投資を行う」ということになります。
101%を目指す
タスクに取り組む際には、「ここまで仕上げる」という自分なりの目標を持つことが多いと思いますが、「ここまで」という基準に対して、1%のプラスアルファの目標値を設定してみましょう。定性的な目標しかできないタスクでも、報告書に1ページ新しい視点の内容を加える、過去の著名人のセオリーを加えるなど、自分なりに工夫してみます。これが継続できれば、気が付いたときには大きな成果(レバレッジの効いた状態)となって表れるでしょう。
プロセスを見直し、無駄を省く
時間管理において注意したい点に、「時間のロスをなくす」ということがあります。業務のやり直しやトラブル対応など、本来きちんと行っていれば防げたはずの業務は極力なくしたいものです。時間管理の観点からは、結果を出すまでのプロセス設計の段階で、確認すべきポイントやロスを防ぐためのタスクを計画することである程度は防ぐことができます。
一つのタスクの中で例を挙げると、今日は10日で、今月末が、あるクライアントに提出する企画書の締切日だったとします。いつものパターンでいけば、25日頃から手を付けはじめ、締切直前の28日ぐらいに上司に提出し、多少の手直しをしたうえで、ぎりぎりのタイミングでクライアントに提出する、といった感じでしょうか。しかし、これでは直前でのやり直しやクライアントや上司の求めるクオリティに仕上がっていなかったということが起こりえます。
この場合、企画書に手を付け始めた3日後にポイントだけを上司(あるいはクライアント)に確認をとる、あるいはクライアントの競合先の事例をまとめるなど、事前の確認やプロセスの見直しにつながるタスクを計画することで、ロスを防ぐことができます。
時間をまとめる
人はどのような状況でも同じような能力を発揮できるとは限りません。集中力の高まる時間に作業したり、環境を用意することも必要でしょう。同様に、集中するために、ある程度の時間をまとめて確保することが重要です。30分しかないところに、重要なタスクを計画しても、次の仕事が気になり、集中できなかったり、前回の終了時点の内容を頭の中に思い起こすだけでも時間がかかったりと、思った成果が出せないばかりか、時間の無駄になってしまうこともあります。
レバレッジを効かせるためには、集中できる環境とまとまった時間を確保することです。思いもよらない成果を上げることにつながるでしょう。
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