今回のコラムではABMの基礎や手順などABMの基礎についてわかりやすく解説する
営業リソースの集約
ABMは特定企業を狙うため、営業やマーケティングリソースをそこに集中できる。さらに、多少無駄な工数がかかっても、受注となれば大きな成果が期待できるため、よりじっくり、確実に営業やマーケティング施策を展開できる。営業部門の人員不足や高齢化なども加速していくため、今後の営業体制の再構築にも役立つ。
営業とマーケティングの連携強化
ABMは売れると成果の大きな企業を対象とするため、営業部門から見れば、「大口顧客」になる。そのため、マーケティング活動で獲得した顧客接点が重要視され、営業とマーケティングの連携力が強力(営業フォロー率の向上)になる。言い換えれば、ほったらかしにされたり、営業対応を後回しにされるというようなことが最小化される。
ABMのデメリットや課題
ABMはよいことばかりではない。当然、デメリットや課題もある。
売上の依存性向上
ABM施策を重要視しすぎると、ある特定企業に売り上げが依存してしまい、万が一、顧客流出のようなことが発生すると、事業の売り上げが急激に激減する。事業戦略や経営戦略から見れば顧客流出が命取りになる可能性すらある。営業担当が変更になり引き継ぎなどに失敗すると、顧客流出のリスクが高まるため、引き継ぎの重要性が高く、かつ、普段のうっかりミスなどは注意しなければならない。
営業・マーケティング工数の増大と武器の準備
特定企業を狙った営業やマーケティングを展開するため、やればやるほどOneToOne化していく。その結果、工数が増大する。加えて、大口顧客は競合企業も狙っているため、競争が激しく、「強みの明確化」「成功事例の創出」といった営業やマーケティングの具体的な武器が必須だ。具体的な武器がなければ、なかなか入り込むこともできず、時間がかかり成果に繋がらない。
ABM顧客とは?ターゲットアカウントとは?
ABMは、ターゲットとなる企業に対して、よりOneToOneのマーケティング活動を展開するBtoBマーケティング手法のことだ。この時、ターゲットとなる企業のことを「ABM顧客」「ターゲットアカウント」といった呼称をする。なお、ABM顧客は、「ABM活動で獲得できた実際の顧客」というような意味とも取れるが、本コラムでは、ABM顧客は、ABM活動でターゲットとなる企業のことと定義する。そして、ターゲットアカウントも同様の定義とする。
ABM顧客(ターゲットアカウント)には2種類ある!
ABM顧客(ターゲットアカウント)は、ALUHAでは、2種類あると考えている。1つ目は「特定企業名のリスト」のこと、そしてもう1つは「こういう企業を狙いたいという条件」のことだ。
次のページABM顧客(ターゲットアカウント)「特定企業名リスト」
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
BtoBマーケティング
2024.02.12
2024.02.28
2024.03.15
2024.04.14
2024.06.17
2024.07.02
2024.08.24
2024.09.12
株式会社ALUHA 代表取締役社長
BtoBマーケティングコンサルティングを展開。大手IT企業、製造業を中心に、伴走型コンサルティングを展開中。リソースを効率的に活用し、最小限の工数で効果を最大化するコンサルが得意